多発性硬化症(Multiple Sclerosis; MS)に関心を持ってくださり、ありがとうございます。
MSは、中枢神経系(脳・脊髄、視神経)の病気で、これらの神経を覆っている「ミエリン」というものを、なぜか自分自身で壊してしまうことで発症すると考えられています。
日本国内にはおよそ13,000人の患者さんがいるといわれていて、ここ30年で、特に若い人に急増しています。
ここでは、MSが誤解されやすい点をまとめていますが、この機会にぜひ「すぐわかるMS」もごらんください。
MSは伝染しません。
MSの人と一緒にいて「MSがうつる」ということはありません。
MSは原因不明で根治療法はありませんが、病状の悪化を防ぐ治療でコントロールできます。 手術で治すことはできません。
また、診断・治療技術が進んだ現在では、MSが直接の原因で死に至ることはありません。
発症に生活環境要因が指摘されているものの、MSは生活習慣病ではありません。
また、体質的な要因が関与している可能性はありますが、MSは遺伝の病気ではありません。
病名は「多発性硬化症」ですが、MSは、体が硬くなる病気ではありません。
ミエリンが壊れた部分を解剖学的に見ると、その部分が硬くなっているという意味です。
症状の出方・程度、病気の経過、治療への反応性など、MSは個人差が大きい病気です。
介護が必要な病状の人もいれば、病気ではない人と同じように生活している人もいます。
たとえばどこかでMSの人を見た時や、MSの人の話を読んだ時、それがMSの全てだとは理解しないようにしてください。
MSでは、視力障害、感覚障害、疲労など、目に見えない症状が多いです。
見た目には元気そうに見えても、実は症状を抱えている人が多いです。
多くのMSは、病気が活発になっている時期(再発)と、安定している時期(寛解)を繰り返します。
また症状は、再発でなくても、体調や天候などの影響で変わることがあります。
「ちょっと前は具合が悪そうだったのに、今は元気そうに見える」ということは、MSでは不思議なことではありません。
「MSかもしれない」と思っている方へ…
MSの症状は本当に多く、そして、脱力感や疲労などは、MSでなくても多くの人に当てはまります。
MSに限らず、ほかの病気の可能性もあるので、気になる場合は、まずは近くの病院を受診してください。
新規公開:2010年4月12日
文:中田郷子 / MSキャビン(非医療従事者)
監修:小森美華 先生 / 京都大学医学部附属病院神経内科(神経内科医)
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