このホームページでは「多発性硬化症(Multiple Sclerosis; MS )」の情報を提供しています。

 




多発性硬化症のあらまし(症状)


ミエリンが壊された場所によって症状が決まります。それは脳・脊髄と視神経のどこにでも起こり得るため、非常に多くの症状があります。壊される部位は人によって違うので、症状や重さはひとりひとり異なり、時期によっても(日毎、時間毎)変わります。

よくある症状は次の通りです。ここに挙げた症状は、MS患者さん全体でみられるものであり、ひとりの患者さんが全てを経験することは、ほとんどないことにご留意ください。

視覚障害
「視界がぼやける」「ものが二重に見える」「視野が欠ける」「細かい字が読めない」「色がわからない」など。目の奥が痛くなったり、目を動かすと痛むこともあります。

運動障害
「上手く歩けない」「手に力が入らない」など。つっぱりのためにスムーズに動けなくなる、言葉がはっきりしなくなる、会話がゆっくりになる、飲み込みが難しくなるなどもあります。

感覚障害
「感覚が鈍くなる」「温度の変化がわからない」「皮膚の上に1枚紙をはさんだよう」など。部分的に起こることが多いです。

異常感覚
「チクチクする」「ピリピリする」「ジンジンする」など。首を曲げると腰から足にかけてしびれが走ることがあります。これは「レルミット徴候」と呼ばれ、MSによくみられます。「焼けつくよう」「締め付けられているよう」「皮膚の上を虫が歩いているよう」と表現される時もあります。

痛み
「焼けるような痛み」「針で刺されたような痛み」「電気が走るような痛み」など。中には体を帯で締め付けられているような痛みもあります。また、手足を動かすと痛みを伴ってつっぱりが起こることがあります。これは「有痛性強直性(ゆうつうせいきょうちょくせい)けいれん」と呼ばれ、MSによくみられます。

平衡障害・ふるえ
「ふらふらする」「まっすぐ歩けない」など。小脳に病巣があるとこのような症状が起こりますが、足自体には力は入ります。小脳に病巣ができると、ふるえが起こることもあります。

排泄障害
「トイレの回数が多い」「急にトイレに行きたくなる」「尿が出にくい」「漏らしてしまう」など。足に障害がある時に一緒に起こることが多いです。脊髄の病巣によるものが多く、腎臓や膀胱そのものには全く問題ありません。また、便秘の症状もよくみられます。

性機能障害
「感じない」「勃起しない」「射精できない」など。感覚障害や疲労のために満足感が得られないこともあります。MSが直接の原因で、妊娠できないということはありません。

疲労
「しんどい」「起きたばかりなのにもう疲れている」など。神経の伝導が上手くいかないため、動くとすぐに疲れてしまいます。こまめに休息を取ることで回復しますが、突然、原因もなくひどい疲労が起こることもあります。

認識・感情の障害
「物忘れが多くなった」「判断力が低下した」「集中力がない」など。仕事に支障をきたすほど物忘れが激しくなることもあります。障害の程度にかかわらず、うつがよく起こります。

飲み込み、しゃっくり、吐き気
脳幹に病巣がある場合、物が飲み込みづらくなることがあります。また、しゃっくりが異常に続き、1日から数日間にも渡って止まらなくなることもあります。ひどい吐き気が起こることもあり、実際に、吐いてしまうこともあります。

体温との関連
「お風呂に入ると手足に力が入らなくなる」「運動するとふにゃふにゃになる」など。体温が上がると一時的に症状がひどくなったり、別の症状が出てくることがあります。これは「ウートフ徴候」または「温浴効果」と呼ばれ、体温が下がれば症状は回復します。

トップページへ