東京で研究会|MSキャビン(多発性硬化症 視神経脊髄炎)

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中田郷子のブログ

東京で研究会

メール返信と発送作業の後、明日の就労セミナーと日曜日の薬剤師さん向け講演会の最終準備をして、夜は東京MS研究会です。

 

東京MS研究会とバイエル薬品株式会社の共催で、2001年から今日までに15回、開催されています。

 

ベタフェロンの最近の話題提供の後、講演開始。まずは赫 寛雄先生(東京医科大学)の司会で、大木伸司先生(国立精神・神経医療研究センター:NCNP)による「二次進行型多発性硬化症の病態と新規ヘルパーT細胞」です。

 

大木先生のグループは数年前、再発寛解型MSの末梢血T細胞は「NR4A2」という分子をたくさん作っていることを発見しています。そこでMSの動物モデル「EAE」を使ってこの分子を働かなくさせてみたところ、病気が軽くなることを明らかにしました。

 

しかし病状が軽くなったNR4A2欠損EAEはなぜかその後、病気が悪くなっていきました。先生方はこの状態を「後期EAE」と呼び、この後期EAEは二次性進行型MSに相当するのではないかと考え、研究を進めています。

 

これについては去年の六本木フォーラムでもお話いただいています。バナナチップス読者さまは98号(2016年1月号)7ページをごらんください。

 



次は荒木 学先生(NCNP)による「視神経脊髄炎の新規治療法の開発」です。

 

視神経脊髄炎は抗AQP4抗体が、中枢神経細胞を支える「アストロサイト」上にあるAQP4を攻撃することによって起こると考えられています。

 

千原典夫先生(神戸大学・前NCNP)と中村雅一先生(NCNP)のグループは以前、NMOの末梢血ではプラズマブラスト(PB)という細胞が増えていることを発見し、抗AQP4抗体を作り出しているのはこのPBという細胞だということを明らかにしています。

 

PBはIL-6という物質の刺激を受けて生存しています。そこで先生のグループは、IL-6の刺激を阻害する薬「トシリズマブ(アクテムラ®)」を使えばNMOを抑えられるのではないかと考えました。

 

2011年からNCNPと近畿大学において、NMOの人にトシリズマブを投与する研究をしています。今日の荒木先生のご講演はその報告でした。

 

研究に参加した15人中、11人が再発しておらず、再発した人もその程度は軽いそうです。また投与開始半年から1年くらいで、疼痛と疲労が軽減した人もいました。副作用は感染症です。

 

リンパ球も解析されていて、トシリズマブ中はPBが減ること、NMOにとって良いリンパ球が増加していることなど認められています。

 

これについては一昨年の六本木フォーラムでもお話いただいています。バナナチップス読者さまはりんごチップス5号(2015年1月号)をごらんください。

 



最後は相澤仁志先生(東京医科大学)の司会で、山村 隆先生(NCNP)による「MS病態の多様性から個別治療を考える」です。

 

NCNPは研究所と病院が同じ敷地内にあって、治療と研究が密接につながっています。たとえば大木先生の研究「後期EAE」に関連して通院中の二次性進行型MSの人の血液が調べられ、千原先生の研究「プラズマブラスト」は通院中のNMOと一部のMSの人の血液が調べられています。

 

私もよく、外来まで採血しに来られる研究所の先生方をよく見ます。^^

 

さて、山村先生のお話はまず、腸内細菌とMSについて。先生は、MSが近年増えている背景に、生活習慣の欧米化、特に食生活の変化があるだろうと考えています。実際にMSの人で調べてみたところ、健常人とMSの人の腸内環境は違っていることを示しておられます。

 

門脇 淳先生(NCNP)は、MSを抑える制御性T細胞は腸内環境の影響を受けることを報告しています。

 

先生は「食生活の改善でMSが良くなるかもしれない」とコメントしつつ、「しかし全てが食生活のせいとは言えない」ともおっしゃっていました。

 

荒木先生のご講演を受けて、プラズマブラスト(PB)のお話もありました。PBはNMOの人の末梢血で増加していますが、一部のMSの人でも増加しているようです。そのPBが増加しているMSではインターフェロンなどの予防治療は効かないか副作用がひどく出る。このようなMSではトシリズマブで効果が得られるのではないかということで現在、研究が進められているようです。

 

治療については、「MSというのは障害度がある程度まで進んだら、それ以降の進行速度は同じ。だから早く治療しましょう」と言われていますが、山村先生によると、日本人はこれに必ずしも該当しないのではないかとのこと。実際NCNP通院中で障害の進行が進んだ方でも、治療効果が得られることがあるそうです。

 

山村先生のお話は、キャビンで定期的に開催しているセミナーでもお聞きできます。今月分は定員に達していますが、以降の開催が決まり次第「セミナー・講演会」にて募集します。

 



この研究会は今回で終了です。最後に代表世話人である山村先生から改めてご挨拶がありました。

 

私もこの研究会には何度も参加させていただいて、この15年をしんみりと振り返りました。山村先生がおっしゃるように、第1ステージは終了したのだと思います。

 

診断技術が進み、治療選択が増えていくこれからの第2ステージ。活動をより熟考して努めようと気持ちを新たにしました。

 

参加させていただき、ありがとうございました。

 


 

IMG_2209

あれ〜。チチがいないな〜。と思ったら、こんなとこにいた〜。

 

非難時のリュックに入っててくれた〜。

 

そうそう、これに慣れて慣れて。

 

2016.9.2

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