多発性硬化症(Multiple Sclerosis; MS)と視神経脊髄炎(Neuromyelitis Optica Spectrum Disorders; NMOSD)の情報を提供しています。
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2016年10月の投稿一覧
京都多発性硬化症ラボのブログでもお伝えしたのですが、9月30日をもって京大病院から関西医科大学総合医療センター(京阪沿線滝井駅徒歩3分)に異動することになりました。
関西医科大学総合医療センターは関西医科大学附属病院で神経内科の診療を行なっておりました。しかし、附属病院が枚方に移転し、神経内科も2013年に枚方にその機能を移しましたが、再び神経難病を重点とした診療科として再開をすることになりました。
パーキンソン病、脊髄小脳変性症や筋萎縮性側索硬化症などすべての神経難病患者さんの地域の拠り所となる診療を目指したいと思います。
多発性硬化症(MS)や視神経脊髄炎(NMO)などの神経免疫病は、疾患概念の変遷や新規治療薬の開発がめざましく、より専門性が必要な分野です。私たちの強みを生かして、周辺の患者さんだけでなく、遠方の患者さんやMS専門でない神経内科の先生にとっても頼りになる存在になりたいと思っています。
というのは、MSやNMOなどの中枢神経脱髄疾患は、診断基準だけで診断をして治療方針を決めたり、NMOとMSの区別をするだけでは治療が奏功しなかったり、治療による悪化の可能性があります。診断の時、治療方針を決定する時、治療を見直す時などにお役にたてればと思います。
遠方の方、あるいは遠方でなくても時間がとれる方は短期間の入院をして診断、疾患評価、治療方針の決定の時間にしていただければと思っています。さらに、入院を疾患理解の時間にしていただければとも思います。入院中はできるだけ疾患のお話をさせていただきます。当院に通院しにくい患者さんにも地元の先生と一緒に安心した医療を患者さんに提供できればと思います。
京大から異動するにあたり、京都に患者さんを残していくことも心配でしたが、多くの患者さんを康生会武田病院で継続して診療させていただくことになりました。医師の異動で患者さんにはご迷惑をおかけして申し訳ないことです。
京都では民医連の田中先生がMSの専門家として有名です。京都府立医大の藤井先生も私たちと一緒に臨床や研究をしている優れた専門家です。京大には、まだ本格的に臨床の場に出ていませんが、神経免疫の臨床と研究をしている大学院生(端、岡田、濱谷)がいます。神経免疫の知識が豊富な力のある神経内科医です。
MSの専門加療を行なっている先生は他にもおられますが、私たちとは治療方針などに違いがある場合が多いようです。全体として考えても、京都の神経免疫の診療を行なっている医師はまだまだ少ないのが現状だと思います。
私自身は今後も京都の神経免疫診療にも貢献したいと思っています。武田病院では土曜日の診療を続けています。通常の初診患者さんは受け付けていませんが、神経免疫の患者さん、あるいはその可能性のある患者さんで希望のある方は武田病院も利用してください。
どうぞ、今後ともよろしくお願いいたします。
2016.10.4
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