ガドリニウム造影剤の「使用上の注意」改訂|MSキャビン(多発性硬化症 視神経脊髄炎)

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トップページ > お知らせ~薬について > ガドリニウム造影剤の「使用上の注意」改訂

薬について

ガドリニウム造影剤の「使用上の注意」改訂

厚生労働省から2017年11月、ガドリニウム造影剤の「使用上の注意」改訂の周知がなされました。

 

ガドリニウム造影剤を使って脳MRI検査を繰り返し行うことで、脳にガドリニウムの沈着物が集積することによる長期リスクを想定したためです。現在のところ、国内外ともに具体的な健康被害は報告されていません。改訂されたのは次の箇所です。

 

添付文書の「使用上の注意」
(1)ガドリニウム造影剤を用いた検査の必要性を慎重に判断すること
(2)環状型を第一選択とし、線状型は環状型の使用が適切でない場合に投与すること
環状型:プロハンス®、マグネスコープ®、ガドビスト®
線状型:オムニスキャン®、マグネビスト®

 

MSキャビンでも医師向け情報誌に2015年10月、アメリカ食品医薬品局(FDA)が調査中との内容で掲載しました。また本ページにて2017年12月6日、MSキャビンの見解を示しました。

 

しかし一部のMS専門家の先生より、造影剤を使用しないことにより新規の病変の検出率が低下する可能性に対する懸念に関する連絡をいただいたため、この見解を見直しました。

 

MSキャビンの現在の見解は次の通りです。

 

造影剤の使用は状況に応じて考えます

 

(1)まだ診断がついていないとき
最初は造影剤を使用することがすすめられます。従って診断確定までは何度か造影剤を使うことがあります。半年程度しばらく変化がなければ、造影剤を使わないこともあります。

 

(2)再発したとき
原則として造影剤を使用します。特にもともとの病変が多い人や、脊髄での再発が疑われる場合などは、再発と関連している病変をより確実に捉えるため、造影剤を使います。しかし緊急で検査を行うため、造影剤を使用できない場合もあります。

 

(3)寛解期に疾患活動性を評価するとき
基本的には造影剤は使用しなくてもよいと考えています。しかしもともとの病変が多く、病変が増えてもわかりにくい人などは造影剤を使用することもあります。

 

(4)PML等の早期発見を目的とするとき
PML等を疑う病変があった場合には造影MRIを追加します。あるいは日を改めてもう一度造影MRIを行います。

 

病変の検出率と疾患活動性

 

病変の検出率には、造影剤の使用の有無のほか、機器の解像度や、どれくらいの厚さで断面を切るか、縦切りにするか、横切りにするか、どのくらいの間隔で撮影するかなど、さまざまな要素が影響をしています。

 

疾患活動性をどう評価するかは、主治医が状況に応じて患者さんごとに決定するものです。MSキャビンとしては、主治医と患者さんが確実に疾患活動性を評価したいということであれば、造影剤を使用することを決して否定しません。

 

環状型なら問題ない…?

 

環状型のガドリニウム造影剤を用いれば、脳にガドリニウムの沈着物が集積することはないであろうと考えられています。すでにほとんどの施設で、環状型のガドリニウム造影剤が第一選択として用いられるようになっていますので、ご安心下さい。

 

しかし一方で、環状型だから安全と考え、必要以上に頻回に造影MRIを撮ることは避けたほうが良いとも考えています。また造影剤は胎盤を通過すること、そして乳汁にも分泌されるため、女性に多いMSにおいては常に慎重に考える必要があります。腎障害の人にも注意が必要です。

 

なお病変の変化を細かく把握する必要がある治験では通常、造影剤を使います。

 

関連情報(厚生労働省医薬安全対策課)
ガドリニウム造影剤の使用上の注意の改訂について(PDFファイル)」へ

 


 

更新:2018年3月8日(全体的に見直し)
新規公開:2017年12月6日

2018.3.8

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