検査と診断|MSキャビン(多発性硬化症 視神経脊髄炎)

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MSのあらまし

- 検査と診断

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単独でMSを確定診断できる検査はありません

 

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「この検査が陽性ならMS」といった具合に、単独でMSを確定診断できる検査はありません。症状だけで診断することもできません。

 

診療科でいうとMSは「脳神経内科のうしんけいないか(神経内科)」が通常担当します。脳神経内科の中にも認知症や脳血管障害などいくつかの専門分野がありますが、MSは「神経免疫」を専門にする医師が担当することが多いです。

 

病巣の大きさや分布がわかるMRI検査

 

ms5a

MRIはMSで最もよくおこなわれる検査です。病巣の大きさや分布がよくわかります。MSでは主に「T1てぃーわん強調画像」「T2てぃーつー強調画像」「FLAIRふれあ画像」という方法で撮られ、T1強調画像では病巣は黒く、T2強調画像とFLAIR画像では白く写ります。

 

MRI検査では「ガドリニウム」という造影剤を使うことがあります。これは、病巣が最近1ヶ月程度のうちに活動しているものなのか、過去の名残なのかを調べるためです。活動中の病巣はガドリニウムを使うとT1強調画像で白く染まって写ります。

 

MSでは、MRIでは病巣が認められるのに症状には現れない「無症候性病巣むしょうこうせいびょうそう」があります。実際に症状として現れるのは脳MRIで見つかる病巣10個のうち1個くらいだといわれています。脊髄に無症候性病巣が見つかることもあります。

 

反対に、症状は現れているのにMRIで病巣が認められないこともあります。病巣の検出率はMRIの性能やどのくらいの厚さで断面を切るか、縦切りにするか横切りにするかなど、様々な要素が影響しています。

 

脳脊髄液の状態がわかる髄液検査

 

ms5b

脳と脊髄のまわりは「脳脊髄液のうせきずいえき髄液ずいえき)」で満たされています。この髄液の状態を調べるのが髄液検査です。

 

髄液は、腰椎穿刺ようついせんし(ルンバール)という方法で、背中から背骨の間に針を刺して抜き取ります。針を刺す間はじっとしている必要があり、終わった後も数時間、安静が必要です。

 

MSでは通常、髄液に次のような所見がみられます。ただ、全てのMSがこのような結果を示すとは限りません。オリゴクローナルバンド(OBおーびー)もミエリン塩基性えんきせきタンパク(MBPえむびーぴー)も、ほかの脱髄だつずい性疾患や頭部外傷などでも認められることがあります。

 

脳脊髄圧 正常(70~180mm水柱)
外観 無色透明
細胞数

正常〜軽度増加 (通常50個/μl未満)

総タンパク

正常〜軽度増加(100mg/dl以下)

IgGあいじーじーインデックス

0.7以上

オリゴクローナルバンド

60〜70%で陽性

ミエリン塩基性タンパク

急性増悪期に上昇

 

神経の伝わり具合がわかる誘発電位検査

 

誘発電位ゆうはつでんい検査では体に刺激を与え、その刺激が脳に達するまでの速さと強さを調べます。伝わり方に異常があれば、その刺激の通り道に障害があると考えられます。診察室でおこなう神経診察では全て正常でも、この検査で異常が検出されることがあります。誘発電位検査には、次の4種類があります。

 

視覚誘発電位しかくゆうはつでんいVEPぶいいーぴー
視神経を調べる検査です。白黒が反転するテレビ画面、または点滅する光を見つめます。

 

聴性脳幹誘発電位ちょうせいのうかんゆうはつでんいBAEPびーえーいーぴー
脳幹を調べる検査です。ヘッドホンを付けて「カチカチ」というかすかな鋭い音を聞き、その刺激が耳から脳に伝わるまでの時間が測定されます。

 

体性感覚誘発電位たいせいかんかくゆうはつでんいSEPえすいーぴー
脊髄と脳幹を調べる検査です。左右の手首と足首に軽い電気刺激を受け、その刺激が脳までどのように伝わるのかが調べられます。

 

運動誘発電位うんどうゆうはつでんいMEPえむいーぴー
脳に磁気刺激を受けて、運動神経の機能を調べる検査です。SEPが感覚神経の通り道を調べるのに対して、MEPは運動神経の通り道の異常を調べます。

 

その他の検査

 

そのほか、視神経の障害を調べる中心フリッカー値(CFFしーえふえふ)測定検査、視野しや検査、光干渉断層計ひかりかんしょうだんそうけいOCTおーしーてぃー)検査がおこなわれることがあります。全て視神経を調べる検査で、主に眼科でおこなわれます。

 

また、ほかの病気の可能性を除外するために、血液中に自分自身を攻撃する「自己抗体じここうたい」がないかを調べる血液検査がおこなわれます。

 

MSの診断drdx

 

MRI検査、脳脊髄液検査、誘発電位検査は役立ちますが、これらの検査だけで確定診断はできず、あくまでも補助的なものです。

 

MSの診断では「中枢神経系の2ヶ所以上に病巣を認めること(空間的多発)」と「異なる時期に病巣が出現すること(時間的多発)」を確認することが必要です。診断にあたっては国際的な診断基準と日本独自の診断基準(厚生労働省による)があり、それをもとに確定していきます。確定診断は時に難しく、しばらく経過観察が必要になることもあります。

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