多発性硬化症(Multiple Sclerosis; MS)と視神経脊髄炎(Neuromyelitis Optica Spectrum Disorders; NMOSD)の情報を提供しています。
独立性を強く守るため製薬企業からは寄附をいただいていません。
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【MS】
特集 |
「何も治療しなければ悪くなる」「脳の萎縮」「経過中の分類」「経過の予測」などを解説。6ページ |
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相談 |
再発していないものの歩くのがだんだん難しくなっている人からの質問に回答。2ページ |
用語(MS/NMOSD) |
1ページ |
話題 |
進行型MSに対して海外で承認されている薬と臨床試験中の薬をご紹介。1ページ |
【NMOSD】
特集 「視神経脊髄炎の経過」 |
「何も治療しないと障害が残る」「NMOSDは進行しない?」「二次的な運動障害」「症状の変動」などを解説。4ページ |
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相談「この症状はそのまま残る?」 |
発症して治療を受けたものの目に症状が残っている人からの質問に回答。2ページ |
用語(MS/NMOSD) |
1ページ |
話題 |
ステロイド薬と免疫抑制剤のほかの予防治療薬をご紹介(臨床試験中)。1ページ |
【MS/NMOSD共通】
談話室 「食生活・嗜好品について」 |
「禁止されている食品はない」「プログラフ®とテグレトール®服用中の注意点」「生活習慣病とはいえない」など編集委員が考えていること。3ページ |
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日常生活 |
「数値を使って表現」「どう困っているかを言う」などを解説。1ページ |
報告 |
中田代表受賞のご報告。5ページ |
団体状況 |
「下半期講演会終了」「常時SSL移行完了」「完全ブック改訂中」。1ページ |
【ご感想・補足説明】
MS患者さんから
特集は、まさに私が知りたいことでした。おそらく私は良性型MSなのだと思います。ネットである程度のことは理解しておりましたが、こうしてまとめてくださるとわかりやすく、冷静に判断することができます。あまり期待をしてもいけないし、悪いことばかり考え、心配しすぎてもいけないですね。
再発はしていないものの、知らないうちに進行している可能性もあり、最近の物忘れや体調不良も、歳のせいなのか? MSのせいなのか? 迷うことばかりです。
迷ったところでどうしようもないので、ひとまず歳のせいにして片付けています(笑)
2017.10.28
【MS】
特集 |
「妊娠・出産に問題なし」「ホルモンの変化」「再発予防薬と妊娠」「今後を見据えた治療を」などを解説。6ページ |
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相談 |
フィンゴリモドを使用している場合、妊娠にそなえてどう対応したら良いかについて回答。2ページ |
用語 |
1ページ |
話題 |
2017年5月にアメリカから報告された脳トレとMSの認知機能障害の関係について。1ページ |
【NMOSD】
特集 「視神経脊髄炎と妊娠」 |
「妊娠をあきらめるべきではない」「活動性を抑えることが第一」「妊娠週数による危険度」「視神経脊髄炎と遺伝」などを解説。6ページ |
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相談 |
眼科の定期検診を受けていない人からの質問に回答。2ページ |
用語 |
1ページ |
話題 |
アメリカのNMO支援団体「ガシージャクソン慈善財団」をご紹介。1ページ |
【MS/NMOSD共通】
談話室 「予防治療は止められるか?」 |
予防治療はいつまで続けるものなのでしょうか。編集委員が考えていること。3ページ |
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日常生活 |
「子供に伝えるかどうか」「注意したいのは親戚」などを解説。3ページ |
お知らせ |
中田理事長受賞の件。1ページ |
団体状況 |
「使用カード追加」「定款変更」「上半期講演会終了」「専門医Q&A公開」「完全ブック改訂中」。1ページ |
【ご感想・補足説明】
NMOSD患者さんから
7ページの小見出し「治療中止による再燃」について、「再燃」の用語はこの見出しのみで、本文中には出てきません。あえて見出しに「再燃」を使われたことに何か意味がありますか? 本文に出てこないこの言葉をどう理解すれば良いでしょうか?
MSやNMOSDの「再発」とは、前回の神経症状の出現から30日以上経ってから出現した神経症状で、24時間以上持続し、他の原因によらず、感染や発熱を伴わないもののことを言います。これより短い間隔で新たに出現した神経症状を「再燃」と言うこともあります。
関連して「発症」ですが、これは最初に症状が出たことをいいます。「初発」ということもあります。発症した後にまた症状が出た場合は「発症」とは言わず、「再発」といいます。(2017/08/13) |
2017.7.28
【MS】
特集 |
「日光浴はMSに良い」「ビタミンDが不足すると」「日光浴の時間」「活性型ビタミンD3製剤の処方について」などを解説。6ページ |
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相談 |
MS患者はスキューバーダイビングできないと言われた方からの質問に回答。2ページ |
用語 |
進行性多巣性白質脳症(PML)について解説。1ページ |
話題 |
2015年に世界の27人のMS/NMO専門家を対象に行ったアンケート調査結果から見えたこと。1ページ |
【NMOSD】
特集 「ステロイド薬の骨への影響」 |
「ステロイド性骨粗鬆症」「日常生活の中でできること」「特発性大腿骨頭壊死症」「骨粗鬆症の薬物治療」などを解説。6ページ |
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相談 |
プレドニン20mgより減らすと再発し、足のしびれがずっと残っている人からの質問に回答。2ページ |
用語 |
NMO関連疾患(NMOSD)について解説。1ページ |
話題 |
「B型肝炎治療ガイドライン」に基づいて、ステロイド薬や免疫抑制剤を服用中の人へのお知らせ。1ページ |
【MS/NMOSD共通】
談話室 「新薬について考えてほしいこと」 |
良い治療とは新しい薬を使うことなのでしょうか。編集委員が考えていること。2ページ |
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日常生活 |
「神経免疫の専門医は少ない」「専門性は必須ではない」などを解説。2ページ |
お知らせ |
現在経過措置中の方々に向けて、継続して認定を受けられるかどうかの確認と対策。3ページ |
団体状況 |
「理事就任」「定款変更」「調査研究支援隊解散」について。1ページ |
【ご感想・補足説明】
MS患者さんから
活性型ビタミンD製剤は誰でも処方してもらえるのでしょうか?
また主治医の考え方や医療機関の事情によっては処方できないかもしれません。というのも活性型ビタミンD製剤によるMSの再発予防効果は証明されておらず、副作用面や医療経済面から処方できないことがあるからです。(2017/05/25) |
MSご家族(女性)から
小児慢性から一般に変更になります。新しい受給者証はまだ届いていないのですが、この場合「高額かつ長期」には該当しない、一般になってから6ヶ月経過しないといけないと言われました。
補足説明:小児について調べておらず、申し訳ございません。厚労省に確認したところ「高額かつ長期」は難病法に基づく制度なので、児童福祉法に基づく小児慢性特定疾病の支払い実績は引き継ぐことはできないとのことでした。 お話のとおり「一般」に変更してから6回の支払いがないと、高額かつ長期にはなれないようです。(2017/05/22) |
NMOSDご家族(女性)から
今回のバナチは増ページで以前のように情報が満載で嬉しかったです。活動方針変更のおかげでしょうか。
足が悪いとどうしても外出を控えがちになるので、室内でも日光浴を心がけるように提案しましょう、、、
今後のお願いですが、ステロイドの副作用についてまた情報があれば教えていただきたいです。(2017/05/19)
MS患者さん(女性)から
バナナチップスありがとうございました。昨日届き、一気に読んでしましました。気になっていることがいつも取り上げられているので、とても嬉しいです。
わが家でも、ビタミンDは何を食べればいいかと話題になっていました。ブログを見てから、肝油ドロップはいいね!と盛り上がっています。
それからショックだったのは、足だけ日光浴をよくやっていたのですが、ガラス越しでした!これからは窓を開けてするようにします。
補足説明:ビタミンD生成に必要なUV-Bはガラスを通さないと書きましたが、紫外線は乱反射によっても届くようです。なので直射日光に当たらなくても、窓を開けていればOKです。説明不足ですみません。(2017/05/22) |
MS患者さん(女性)から
私はMS発症前からスキューバダイビングをしていて、かれこれ200本潜っています。リゾートダイバーなので、ガンガン海に行ってなくて15年くらいでこんな程度です。発症後(3年前に発症)も少しですが潜っています。
ただ、陸上では器材がとても重くて「もうビーチダイビングは無理かな。」とか「1日3本はきついな。」とか思いながら、スケジュールをゆったりとして疲れすぎないようにしています。
海の中は器材の重さや自分の重さ(?)も感じることなく、普段痺れが続いていて困っている足も、痺れが和らいで快適です。海から上がる際には、予め海中でBCをオフしたいとガイドさんに頼んでおけば、対応して頂けています。(MSとは言っていません。腰を少し痛めていると伝えました。)
好きなことをしている時は、体調も良いようです。
NMOSD患者さん(女性)から
今回のバナチ、増ページで情報量がすごいです! 活動方針を変更して情報提供に専心されること、とても嬉しいです。(^-^)/
難病認定の経過処置期限切れに関するページ、とてもわかりやすくなりましたね。ただ私は該当者の一人として、医療費総額を何によって証明するのか気になっていました。
というのは、医療費の管理手帳では、その月の上限に達すると、そこで記載が終わり、その後、何度通院しても記載されませんでした。そこで、保健所に電話をかけて確認したところ、証明は、管理手帳のコピーを提出してほしいとのことでした。
県のサイトも確認したところ、やはり同様の指示が出ていましたので、通院先の大学病院とクリニックにその旨を伝え、過去分を書き加えてもらいました。
補足説明:管理手帳の記載についてまで考えが及びませんでした。情報提供ありがとうございます。
というわけでみなさま、医療費総額は自己負担上限額管理票で証明することになりますが、その月の上限に達すると、記載が終わってしまうことがあります。
ご自身の管理票を確認してみてください。実際は高額な医療費(33,330円あるいは50,000円)を超えているはずなのに、その分の記載がないとしたら、通院先に伝えて記入してもらったほうがいいです。 (2017/05/22) |
2017.4.27
(近藤誉之先生より)
おひさしぶりです。〆切の原稿、書類がたくさんあって間に合ってないのもたくさんあって、ここに記事を書くと〆切先にやれと言われそうな気がして更新が滞りがちでした。ごめんなさい。
ところでネット情報によりますと、MSに日光は悪いのですよ、という情報を散見します。この一部は陽に当たると体温が上昇して調子が悪くなるということを基礎にしているのかもしれません。
でも、日光にあたると免疫低下するとか免疫のバランスがおかしくなるとかは間違ってますから信じないでください。
日光にあたるほどMSは軽症化する、子供の頃の日光の照射低下が発症に関係すると言われています。北海道や緯度が高いほどMSが多いのも日照時間と関係すると言われています。
日光にあたるとビタミンDが増えます。ビタミンDは免疫修飾作用があるんです。だから、北欧はMSが非常に多いのですが、ビタミンDが含まれる鮭を食べるノルウェーは意外に少ないです。
でも中田理事長からは北海道で鮭食べてても多いのはなぜよと詰問されてしまいました。うーーん。
もちろん、日焼けしてヒリヒリして火傷になるような状況がいいかどうかは別問題かとは思っています。また陽にあたり身体が温まり、調子が悪くなることはありえるので患者さんによっては注意が必要です。でも、結局陽にあたる方がMSの進行が抑えられるというのも本当です。
ネットに書きながら言うのもブーメランですが、どんな偉い先生のサイトでも、どんな権威のある会社の書いたことでも、あれ、っと思うことがあるものです。
2015.12.17
(近藤誉之先生より)
京都多発性硬化症ラボで書いた記事です。 疼痛に苦しむ患者さんに少し役にたっていることを示唆するようなコメントをいただきましたのでこちらにも転記してみます。
6割ぐらいのMSの患者さんが疼痛やしびれを感じていると言われています。MSの患者さんが感じる疼痛やしびれは一般の患者さんの感じる疼痛やしびれよりもより強く、日常生活の障害となることが多いとの報告もあります。NMOの疼痛やしびれはさらに強いことが多いと多くの神経内科医師が感じています。
一方、疼痛やしびれを過不足なく評価することは医師にとって困難なものです。疼痛やしびれは主観的なものです。医療者は疼痛やしびれがどうして起こっているかわからない場合、患者さんへの共感を示せなくなることがあります。例えば、画像等で認識可能な病変部位と疼痛の関連が解剖学的に説明できない場合です。
理解できないことから生じる患者さんへの非共感によって十分な薬物治療がされないという状況が生じることがあります。また、患者さんの訴えに従って薬剤を加えていっても実際の症状は緩和されず、覚醒度の低下、精神症状、吐き気、めまい、便秘等の副作用がより問題になることもあります。
残念ながら、私も含めて疼痛やしびれに関して十分な教育を受けている神経内科医はそう多くありません。
MSやNMOでコントロール困難な疼痛に、両側下肢に生じる疼痛があります。その疼痛は時には体幹や上肢にも及ぶことがあります。 燃えるような、針で突き刺すような、あるいはしめつけられるようなしつこい痛みでしばしば日常生活を制限します。この疼痛は通常の鎮痛剤はほぼ無効です。夜間に増悪したり、運動や仕事によって強くなったりします。
また、疼痛の強さは温度や湿度によっても変動します。外気温とは無関係に下肢が暖かいとか冷たくてつらいと訴える人もいます。刺激によって刺激の程度に不釣り合いな強い痛みを訴える人もいます。こういった疼痛がNMOの方に特に多いのは、おそらく脊髄病変に関連した症状だからです。
脊髄病変が想定されても画像では確認できないこともあります。画像診断を優先する医師はこのような痛みを精神的なものとしてしまうこともあります。後で述べるように疼痛は精神科的アプローチも重要です。しかし、もともとの原因となる病気を軽視して精神科/心療内科にまかせてしまうのも正しいとは思えません。
神経内科領域でこういった疼痛にまず使用されることの多い薬剤は、抗うつ剤、抗てんかん薬です。とはいえ、こういった薬剤で十分な効果が得られることは例外的です。より強い向精神薬やオピオイド(癌疼痛の時に使用される麻薬)を使用することもあります。しかし、薬物療法を精一杯しても患者さんの疼痛、しびれは十分に改善しないことも少なくありません。
国立精神神経センターで、NMOの発症に関係のあるサイトカイン(IL-6)の働きをブロックすると、再発抑制だけでなく疼痛にも効果のあったということは、難治性疼痛が簡単に精神的なものとされることへの大きな警鐘でもあります。
しかし、矛盾するようですが、精神的な要素が疼痛に影響するのもまた事実です。疼痛は鬱状態でひどくなります。疼痛は睡眠の妨げにもなりますが、睡眠障害も疼痛を増悪させます。心配や疲労も同様です。否定的な考え方をしている時や過度の不安も疼痛の増悪因子として知られています。
欧米の疼痛コントロールの実務書には、患者さん自身も疼痛を含めた現在の状況を正しく認識し、受け入れることが重要であると記載されています。医療者の役目としては、患者さんがセルフマネージメント出来るように指導する必要性も記載されています。ヨガや心理療法の効能も記載されています。また患者さんや家族への社会的サポートがない状況での疼痛の緩和が難しいことも記載されています。
私自身は患者さんに、精神的社会的状況が疼痛に大きく関与することをお話しています。問題は、私自身が内心「痛くてたまらない人に痛みを受け入れては」なんて、こちらから誘導できるのだろうかと思ってしまうことです。私自身はその点で力不足です。苦しんでいる人に苦しみを受け入れるようにと言ったって役にたつのだろうかと思うこともあります。
それでも、疼痛やしびれを診察の度に訴えていた患者さんが、いつの間にか診察の時に訴えなくなることもあります。こちらから訊くと「痛みは変わらないかもしれないけど、こだわってても仕様がないし」などの返事が返ってきたりします。そういった患者さんは自然に自分で疼痛を受け入れるプロセスをたどったのだと思います。
2015.4.28
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