専門医が答えるNMOSD Q&A|MSキャビン(多発性硬化症 視神経脊髄炎)

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多発性硬化症(Multiple Sclerosis; MS)と視神経脊髄炎(Neuromyelitis Optica Spectrum Disorder; NMOSD)の情報を提供しています。
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専門医が答えるNMOSD Q&A

視神経脊髄炎(NMOSD)に関するご質問に、6人の理事がお答えします。何かご質問がありましたらMSキャビンまでメールお寄せください。→ info@mscabin.org ※タイトルを「専門医」としてください。

 

ご質問と回答を公開させていただく場合は事前にお知らせします。公開してほしくない場合はその旨お知らせください。

 

ご質問は情報誌「バナナチップス」購読者様限定です
購読者様でない場合はお返事を差し上げませんのでご了承ください。

 

【回答者】

  • 大橋高志(東京女子医大八千代医療センター)
  • 越智博文(愛媛大学大学院 医学系研究科)
  • 近藤誉之(関西医科大学総合医療センター)
  • 中島一郎(東北医科薬科大学病院神経内科)
  • 新野正明(北海道医療センター)
  • 宮本勝一(近畿大学医学部)
治療
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ステロイド薬を減らしたい治療

qプレドニゾロン(プレドニン®)は減らせますか?

 

 

aプレドニン®の副作用が問題となっている場合は通常、免疫抑制剤を併用します。ただ免疫抑制剤は飲み始めてすぐに効果が出るわけではないので、併用してその効果が出始めるまで待ち、それからプレドニン®を少しずつ減らしていきます。

 

ここしばらく再発もなく病状が安定していてプレドニン®を減らしてみようという場合もあります。 それまでの服用量が10〜15mg程度であれば、数週間かけて1mg減量などゆっくり減らすと良いでしょう。減らす時は無理をしないで過ごすようにしてください。

 

ただしNMOSD発症間もない時期だとしたら、プレドニン®単独の場合はある程度の維持量が必要です。発症後1年半はプレドニン®を10mg以上飲んでいたほうが良いという報告が東北大学から出ています。(回答掲載:2017年8月2日)

痛みの対処治療

q胸のあたりにひどい痛みが残っています。締め付けられているようでとてもつらいです。痛みは両足にもあり、歩くのが難しい時もあります。

 

テグレトール®を飲んでいますが改善されません。何とかならないでしょうか?

 

 

aNMOSDでは急性期の治療が終わった後も、痛みの症状が残ることがあります。とてもつらい症状だと思います。

 

テグレトール®が効かなければほかの薬を追加、あるいは別の薬に変更することを考えます。NMOSDに使われる薬はこちらをご覧ください。→「NMOSDのあらまし(治療)」

 

どの薬が合うかは人によって違うため、試行錯誤しながら最も合う薬を探していくことになります。

 

また痛みやしびれなどの感覚症状はよく、体調や気候によって変動します。冬になると痛みが強くなったり、反対に暑くなると良くなかったり、その傾向は人によって違います。疲れていたり寝不足だったりすると感覚症状がひどくなるという人もいます。

 

主治医だけではなく看護師さんやリハビリの療法士さんとも症状の話をしてみてください。別の視点で助言が得られるかもしれません。(回答掲載:2017年8月2日)

NMOSDの治験治療

qNMOSDの治験の状況を教えてください。

 

 

aNMOSDに対して日本では現在、5つの治験がおこなわれています。まずはリウマチに使われる「トシリズマブ」の医師主導治験です。一部の施設で進められています。

 

そのほか日本では「リツキシマブ」が医師主導治験中です。B細胞性悪性リンパ腫などいくつかの病気に保険が適用されている薬です。一部の施設で進められています。

 

またトシリズマブを改良したタイプの「SA237」の国際共同治験が進行中です。そして「エクリズマブ」と「MEDI-551」も国際共同治験が行われています。

 

国内の治験情報はコチラをご覧ください。 →「治験等の情報について(厚生労働省)」へ(回答掲載:2017年8月2日)

受診
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「様子を見ましょう」と言われた受診

q症状が気になることを主治医に伝えたところ、「様子を見ましょう」と言われただけでした。再発かもしれないと思うと不安です。

 

aNMOSDの症状は気候や体調などでよく変わります。

 

「様子を見ましょう」というのは、治療が必要なのか、何もしないで良くなるものなのかを経過観察したいということです。決して放っておいているということではありません。

 

様子を見ていても改善しない場合はどうしたら良いか、主治医に聞いておいてください。(回答掲載:2017年8月2日)

日常生活
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メラトニンのサプリメント …9/2回答日常生活

(MS Q&Aから抜粋)

 

q時々眠れないことがあるので、メラトニンのサプリメントを服用しています。しかし「メラトニンは免疫細胞を活性化させるので自己免疫疾患の患者は服用しない方がいい」との記述がありました。

 

そうなのでしょうか?

 

 

aメラトニンは睡眠ホルモンとも呼ばれ、睡眠を促す作用を持っています。昼間はほとんど分泌されず、夜に多く分泌されています。1日の中で分泌量が違ってくるのは、このホルモンは目から入る光によって分泌量が変わるからです。

 

従って季節によっても分泌量が変わります。日差しが強く長い夏はメラトニンの分泌量は少なく、日差しが弱く短い冬は分泌量が多くなります。

 

夜は部屋の電気を暗めにして、寝る前のテレビやスマートフォンは良くないと言われているのは、目に明るい光が入るとメラトニンが充分に分泌されない可能性があるからです。

 

さて、MSにおいては「MSの再発は秋冬に少ない。メラトニンの分泌が増えていることが関与しているのだろう」という考えがあります。

 

動物実験において、メラトニンはMSにとって悪い細胞(Th17)を減らし、良い細胞(Tr1)を増やして臨床症状を改善したという報告もあります。そのためメラトニンの分泌が低下する夏期にメラトニンを補充することでMSの再発を減らせる可能性が示唆されています。

 

しかし反対に、メラトニンがTh17への分化を誘導するとの報告もあるので注意が必要です。

 

最近では、メラトニン受容体刺激薬であるラメルテオン(ロゼレム®)もよく使われるようになっています。MS患者さんで使っている人も多いのではないでしょうか。

 

しかし現時点ではメラトニンのMSへの影響については結論が出ておらず、慎重に用いるべきでしょう。

 

NMOSDとメラトニンとについては報告がなくわかりません。MSと同じく現時点では慎重に用いたほうが良いと思います。

 

Th17細胞:ヘルパーT細胞の一種。MSにとって悪い細胞。
Tr1細胞:制御性T細胞の一種。MSにとって良い細胞。

 

(回答掲載:2017年9月2日)

献血できますか?日常生活

q献血できますか? 骨髄、臓器提供はどうでしょうか?

 

 

a国によって対応がやや異なるようですが、世界的には、原因不明の病気の人は献血はできない決まりになっています。多発性硬化症(MS)についてWHOのガイドラインでは「MSは病気の原因がわからないため、今のところ献血できない」とされています。NMOSDも同様の解釈で良いでしょう。

 

日本では、服用している薬によっては献血できないようです。また、特定の病気にかかったことがある人は献血できないとされています。この病名の一覧にNMOSDは出ていませんが、WHOのガイドラインからすると断られる可能性が高いです。
「献血をご遠慮いただく場合(日本赤十字社)」

 

骨髄提供については、日本骨髄バンクのドナー登録できないケースに「病気療養中または服薬中の方」「慢性疾患の方」「自己免疫疾患」が挙げられています。従ってNMOSDの方は骨髄の提供はできません。

「ドナー登録をお考えの方へ(日本骨髄バンク)」

 

臓器提供については、提供の意思表示はできます。ただ実際に提供できるかどうかは提供の時点での医学的な判断になるようです。
「提供について(日本臓器移植ネットワーク)」

(回答掲載:2017年8月10日)

用語
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「再発」と「再燃」用語

q「再発」と「再燃」とはどう違うのですか?

 

 

aNMOSDの「再発」とは、前回の神経症状の出現から30日以上経ってから出現した神経症状で、24時間以上持続し、他の原因によらず、感染や発熱を伴わないもののことを言います。これより短い間隔で新たに出現した神経症状を「再燃」と言うこともあります。

 

関連して「発症」ですが、これは最初に症状が出たことをいいます。「初発」ということもあります。発症した後にまた症状が出た場合は「発症」とは言わず、「再発」といいます。(回答掲載:2017年8月10日)

「再発」とは?用語

q再発とはどのような状態ですか? 再発したらどうすれば良いでしょうか?

 

aNMOSDの再発は「新しい症状が出てくる、あるいは症状がひどくなってそれが1日以上続くこと」と定義されています。けれどもNMOSDの再発には個人差があって、一概にそうとはいえません。

 

様子がおかいしと感じた時はどうすれば良いか、予約外に病院に行っても良いか、専用の電話番号はあるのかなど、予め主治医に確認しておいてください。

 

ご自身の経験も参考になります。これまでの再発がどうだったかを振り返り、それと同じような状態であればそのことをきちんと主治医に伝えるようにしましょう。(回答掲載:2017年8月2日)

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