講演「MOGADとは|発症のしくみ・症状・検査・診断」
公開:2025/11/22|視聴:25分半

この動画では、MOG抗体関連疾患(MOGAD)について、発症のしくみ・症状の特徴・患者数・検査・診断を専門医がわかりやすく解説しています。
MOGADは比較的新しい疾患概念で、患者さん・ご家族にとって重要な情報が多く含まれています。医療に携わる方にも役立つ内容です。
こんな方に向いています
- MOGADの起こり方を知りたい
- MOG抗体測定の意味を知りたい
- 症状や検査所見を詳しく理解したい
内容解説
およそ20年前、多発性硬化症(MS)と考えられていた人の一部が視神経脊髄炎(NMOSD)であることが分かり、その後さらにMOG抗体関連疾患(MOGAD)が独立した病気として認識されました。
発症のしくみ:
MOGADはMSやNMOSDと同じ自己免疫疾患で、免疫が自分の神経組織を攻撃してしまいます。脳・脊髄・視神経の細胞に含まれる「MOG」が攻撃され、その原因となるのが体内で作られたMOG抗体です。なぜ抗体が作られるのかは、まだ明らかになっていません。
症状:
攻撃された部位によって、視力低下・視野障害・手足の脱力・しびれ・排泄障害・てんかん発作などが起こります。
また小児例が多いことも特徴で、小児では「急性散在性脳脊髄炎(ADEM)」がみられることがあります。
患者数:
MOGADはまれな病気で、日本の推定有病率は10万人あたり1.34人とされています。女性がやや多く、順天堂大学脳神経内科のデータでは女性割合が68%でした。
検査:
血液検査、MRI、脳脊髄液検査、眼科検査、電気生理検査などを組み合わせて診断します。
特に重要なのが、MOG抗体を調べる血液検査(Live-CBA法)です。ただしこの検査は保険適用外で、研究費や自費で測定されている点が課題です。
なお血液では陰性でも、脳脊髄液で抗体が検出されるケースもあります。
診断:
2023年に国際的な診断基準が発表され、現在はこの基準に基づいて診断されます。
MOG抗体が検出されることに加え、症状・経過・画像所見がMOGADらしいこと、そして他の病気が除外されることが大切です。
まだ新しい基準のため、今後も検証が続けられます。
今後、治療や診断について新しい知見が増えていくでしょう。
病気とうまく付き合うためには、主治医との情報共有が大切です。
この動画は、その一助としてご利用ください。
主なトピック
- MOGADは新しい疾患概念
- 抗体・自己免疫のしくみ
- 病変部位と症状の特徴
- どのような人に起こるか
- 検査と診断のポイント
出演
富沢雄二先生(順天堂大学医学部附属順天堂医院 脳神経内科)
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座談会「MOG抗体関連疾患の予防治療」
公開:2025/06/21|視聴:15分半

MOG抗体関連疾患(MOGAD)の再発予防に焦点を当てた座談会です。治療をいつ・どうやって中止するか、免疫抑制剤の併用、小児と成人での留意点、寛解が続く時の治療継続、MOGADは進行するのかといった実臨床の論点を、専門医が多面的に議論しています。
こんな方に向いています
- 再発予防の基本方針と中止判断の考え方を知りたい
- 小児と成人での違いを知りたい
- 寛解が続く時に治療を続けるかやめるかの目安が気になる
- 「MOGADは進行するの?」という疑問を整理したい
内容解説
予防治療の目的、再発リスクの見立て、中止や減量のタイミング、併用療法の是非、年齢による注意点などを、症例経験に基づき具体的に議論しています。考えが分かれる論点とその理由も話されており、主治医と相談する際の下準備として役立ちます。
主なトピック
- 予防治療を中止した人はどんな人?
- 免疫抑制剤を併用する?
- 小児と成人の注意点の違い
- 再発が止まったら治療をやめる?
- MOGADは進行する?
出演
- 横山和正先生(東静脳神経センター)
- 越智博文先生(愛媛大学 脳神経内科)
- 竹内英之先生(国際医療福祉大学 脳神経内科)
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