多発性硬化症(MS)

日常生活の過ごし方

多発性硬化症(MS)と診断されても、日常生活を大きく変える必要はありません。

日焼けや紫外線との付き合い方、運動の取り入れ方から、食生活や仕事との両立まで、日々の暮らしの中で意識したいポイントをまとめました。

日焼けと日光照射

日焼けをすると再発につながるのではと心配する人は少なくありません。しかし「適度な紫外線を浴びること」と「日焼けをすること」は、似ているようで別の話です。

紫外線には、皮膚でビタミンDを作るという大切な役割があります。ビタミンDにはMSの発症や進行を抑制し、骨密度の低下を防ぐ働きがあるとされています。

ビタミンD生成に関わる紫外線は乱反射する性質があるので、木陰にいたり、日傘をさしたりしていても、十分な効果が期待できます。

一方で、皮膚が赤くなって熱を持ったり、水ぶくれができたりするようなレベルの「過度な日焼け(日光やけど)」は一般の人と同様に注意が必要です。

また、MSでは体温が上がることで一時的に症状が悪化する「ウートフ現象」につながることもあります。

外出や日光を怖がる必要はありません。気をつけたいのは「過度な日焼け」と、それに伴う体温上昇によるウートフ現象、というくらいの理解で大丈夫です。

気温の高い日は熱中症に気をつけて水分はこまめに取りましょう。

運動に制限なし

MSでは運動に制限はありません。体力・筋力を落とさないために、そして健康維持のためにも運動が勧められています。ウォーキング、水泳、ヨガなどをしている人が多いようです。

疲れがたまらないよう、少量の運動を毎日繰り返して続けることが大切です。

バランスの良い食生活を

MSでは食べ物に制限はありません。欧米では低脂肪食や地中海食がMSに良いといった報告もありますが、人種やもともとの食生活も異なるので、日本人のMS患者さんにそれが当てはまるかは分かりません。

一方でMSは日本でも年々増えてきています。その理由として、生活のスタイルが欧米化したことによって衛生環境が良くなったから、そして食生活も変化したからだという説があります。

塩分を取り過ぎるとMSに良くないという研究や、MSの人は思春期に太っていた人が多い、などの報告もあります。

塩分の取り過ぎや肥満は、MSに限らず健康全般の面で良くありません。ジャンクフードの食べ過ぎにも注意し、MSではない人と同じように、健康維持のためのバランスの良い食事を意識してください。

飲酒は問題ありません。健康を害さない程度に楽しんでください。

喫煙はMS悪化のリスクに

喫煙はMS発症のリスクを上げるだけではなく、MSの診断後であっても病気を悪化させる報告が相次いでいます。

また、たばこを吸うと心臓・肺への負担が増し、運動機能や持久力が低下する可能性もあり、風邪をひきやすい状態にもなります。

受動喫煙にも同様のリスクがあるため、MSの人はもちろん、同居している人の禁煙も望ましいです。

再発のきっかけ

MSの再発のきっかけとして、感染症、精神的ストレス、過労などが挙げられています。

風邪がはやっている時期は一般的な風邪対策を心がけ、疲れがたまったらできるだけ休息をとりましょう。症状のせいで十分な睡眠がとれない場合は、主治医に相談してみてください。

就労形態はいろいろ

MSでは、病気を抱えていない人と同じようにフルタイムで勤めに出ている人、時短勤務や在宅勤務を行っている人などがいます。人それぞれ、さまざまな形で仕事をしています。

職場に病名を伝えることについては賛否両論あります。伝えることで会社に内緒にしているといった不安がなくなります。病状への配慮も得やすくなります。

しかし伝えることで大事な仕事が任されなくなるかもしれません。昇進に影響することもあるかもしれません。

仕事に影響を与えかねない症状が問題になっている場合は、病気のことをしっかり説明しておいた方がよいかもしれません。できることとできないことを具体的に書き出して説明してください。

主治医からの意見書も時に有用ですが、病名を告げるかどうかはご自身の判断になります。

障害が残り、それが半年程度続いていれば、障害者手帳を取得できる可能性があります。社会参加の1つの手段として、該当しそうなら手帳の取得を考えてください。主治医にご相談ください。

関連ページ:

  • 大橋高志(脳神経内科医・鎌ケ谷総合病院)
  • 越智博文(脳神経内科医・愛媛大学大学院)
  • 木村公俊(脳神経内科医・京都大学医学部附属病院)
  • 近藤誉之(脳神経内科医・関西医科大学総合医療センター)
  • 千原典夫(脳神経内科医・神戸大学医学部附属病院)
  • 富沢雄二(脳神経内科医・順天堂大学医学部附属順天堂医院)
  • 中島一郎(脳神経内科医・東北医科薬科大学)
  • 新野正明(脳神経内科医・北海道医療センター)
  • 宮本勝一(脳神経内科医・和歌山県立医科大学)
  • 横山和正(脳神経内科医・東静脳神経センター)
  • 渡邉 充(脳神経内科医・九州大学病院)

当法人では、正確な情報をより早く、必要とする方へ届けるため、国際的な医学雑誌の指針を参考に、生成AIを補助的に活用しています。 最終的な内容の確認と責任は編集部が担っています。
本記事は下記の生成AIを活用しながら作成しました。2026年7月時点で利用可能なバージョン・モデル・機能を活用し、その仕様に基づいています。

  • Chat GPT 5.5[OpenAI]:文章推敲

2026年07月09日(全体改訂)
2024年07月31日(全体改訂)
2000年01月(新規公開)

監修:MSキャビン編集委員
出典:MSキャビン「MSのあらまし | 日常生活の過ごし方」
URL:https://www.mscabin.org/ms/msnichijo/
(更新:2026年07月09日)