神経線維を絶縁する「ミエリン」が壊されます

中枢神経系(脳、脊髄、視神経)の神経線維は、電線コードがビニールの絶縁体で覆われているように「ミエリン」というカバーで覆われています。MSでは、このミエリンのあちこちが炎症によって繰り返し壊されてしまいます。
神経系の情報は電気信号でやりとりされているのですが、ミエリンが壊されるとその部分の信号が上手く伝わらなくなり、様々な神経症状が出てきます。
ミエリンは日本語で「髄鞘(ずいしょう)」といい、この髄鞘が壊れて脱落するため、この現象を「脱髄(だつずい)」といいます。炎症が起こった部分を「病巣(びょうそう)」または「病変(びょうへん)」といいます。
ミエリンを壊しているのは自分の免疫
人間の体は「免疫系」によって細菌やウイルスなどの外敵から守られています。この免疫系に何らかの異常が起こり、自分の体の組織を外敵と見なして攻撃してしまう病気があります。このような病気を総称して「自己免疫疾患」といいます。
MSもこの自己免疫疾患と考えられています。ミエリンを標的として、繰り返し攻撃してしまうことによって起こります。