MOG抗体関連疾患(MOGAD)

日常生活でできること

再発のきっかけとなるものに注意 

MOGADの再発のきっかけとして、感染症、ワクチン接種などが挙げられています。その他、過労、精神的ストレス、出産などが再発の誘因になる可能性があるので、疲れがたまったらできるだけ休息を取るようにしてください。

また感染症に注意してください。ステロイド薬や免疫抑制薬を使用している時は感染症にかかりやすい状態になっています。

体力・筋力を落とさないために運動を 

MOGADでは運動に制限はありません。体力・筋力を落とさないために、そして健康維持のためにも運動が勧められています。ウォーキング、水泳、ヨガなどがお勧めです。

歩けないまたは立てないという場合は、イスに座って背筋を伸ばし、両足の裏をピッタリ床に付け、その姿勢を維持するだけでも効果があります。

運動の内容は病状の程度にもよるので、主治医と話し合ってください。病院によっては理学療法士に効果的な運動プログラムを教えてもらうこともできます。疲れがたまらないよう、少量の運動を毎日繰り返して続けることが大切です。

ステロイド薬服用中は摂取カロリーに気を付けて 

MOGADでは食べ物に制限はありません。ただ、多くのMOGAD患者さんはステロイド薬を服用しており、副作用として、食欲増進、むくみ、太りやすくなるなどがあります。程度は人それぞれですが、体重増加が大きい時は摂取カロリーに気を付けてください。ステロイドの服用量が減るにつれて、これらの副作用は軽減していきますが、最初から気をつけるのが一番です。

個人差が大きいMOGADでは就労も人それぞれ 

MOGADは症状の出方も経過も個人差が大きく、どのような仕事ができるのかは人それぞれです。実際、就労しているMOGADの人の職種はいろいろです。発症前と同じように仕事をしている人もいれば、転職した人、辞めた人もいます。フルタイムで働いている人もいればアルバイトの人もいます。

障害が残り、それが半年程度続いていれば障害者手帳を取得できるかもしれません。障害者手帳があれば、ハローワークで障害者求人に応募することができます。多くの転職サイトや障害者枠専門サイトも利用できて、選択枝を拡張できます。手帳の取得については市区町村の窓口にご相談ください。

一方、いつでも働けるような体力・精神力作りや、就職に有利な資格の勉強をするなどの準備も必要です。

職場にはできることとできないことを明確に

職場に病名を伝えることについては、賛否両論あります。伝えることで会社に内緒にしているといった不安がなくなり、安心して仕事に励めます。病状への配慮も得やすくなります。しかし伝えることで、大事な仕事が任されなくなるかもしれません。昇進に影響することもあるかもしれません。

オープンにするかどうかは個々人の背景が違うため一概にはいえませんが、仕事に影響を与えかねない症状が問題になっている場合は、病気のことをしっかり説明しておいたほうが良いかもしれません。できることとできないことを具体的に書き出して説明してください。

夫婦生活に制限なし

MOGADでは夫婦生活に制限はありません。男性の性機能に障害がある場合は、シルデナフィルクエン酸塩(バイアグラ®)、バルデナフィル塩酸塩水和物(レビトラ®)、タダラフィル(シアリス®)が使われます。自費になりますが、使用については主治医と充分に相談してください。