MOG抗体関連疾患(MOGAD)

MOGAD治療中のワクチン接種

MOG抗体関連疾患(MOGAD)の治療中でも、感染やその重症化を防ぐために、打てるワクチンは打つ価値があります。可否と時期は、使っている薬、量、最後に治療を受けた日、ワクチンが生かどうかで変わります。主治医に確認してください。

このページは、国内の添付文書と専門医の見解を土台に、海外の公的な指針(米国CDCなど)も参考にしています。引用する場合は必ず本ページのURLを明記してください。

1. 製剤別・ワクチン接種の可否と注意点

「効果が弱くなるかも」はワクチンの効きにくさの話、「打てない」はワクチンの安全性の話です。

製剤・治療状況生ワクチン以外生ワクチン
経口ステロイド薬 打てる。効果が弱くなることがある。 製剤、投与量、投与期間によって異なる。長期または大量投与中、および製剤によっては投与中止後も一定期間、生ワクチンを接種しない。低用量・短期間の場合を含め、自己判断せず主治医に確認する。
免疫抑制薬(アザチオプリン、タクロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、シクロスポリンなど) 打てる。効果が弱くなることがある。 アザチオプリン、タクロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、シクロスポリンの投与中は、生ワクチンを接種しない(禁忌)。中止後の接種時期は主治医が判断する。
ステロイドパルス療法のあと 打てる。直後は効果が弱くなることがある。 免疫の状態を見て時期を決める。1カ月程度は急がない。
血漿浄化療法のあと 原則として打てる。浄化そのもので効果が必ず弱くなるわけではない。 血漿など抗体を含む製剤を使用した場合は、麻疹・水痘などの生ワクチンの効果が落ちることがある。製剤と量を見て時期を空ける。
免疫グロブリン大量静注療法(IVIg)のあと 原則として打てる。効果が弱くなることがある。 打てるが、麻疹・水痘などは効果が弱くなることがある。空ける期間は製剤と投与量による。国内添付文書の例では、最終投与後しばらく控える(6か月、麻疹は11か月などの記載)。海外のCDCは用量別。使う製剤の添付文書で確認する。
リツキサン®(リツキシマブ) 打てる。効果が弱くなることがある。治療開始前に打てるものは済ませておく。 治療中は避ける。治療終了したあとも、最終投与からの期間、免疫機能、併用薬を確認して主治医が接種時期を判断する。B細胞数だけで接種可能とは判断しない。

(表の根拠:国内添付文書・CDC・監修医の見解)

2. ワクチンの種類と基本的な考え方

ワクチンは「生ワクチン」と「生ワクチン以外」に分けて考えます。

弱毒化した生きたウイルスや細菌を使用するもの。麻疹(はしか)、風疹、水痘(水ぼうそう)、BCG、ロタ、おたふくかぜ、インフルエンザ点鼻のフルミストなどが該当します。フルミストは、ご家族が打つときも注意が必要です(「8. ご家族のワクチン接種」)。

免疫が低下している状態で接種すると、ワクチンに含まれる病原体が増殖し、感染症を起こすおそれがあります。免疫抑制薬の種類によっては、生ワクチンとの併用が禁忌です。接種の可否を自己判断せず、必ず主治医に確認してください。

生きた病原体を含みません。不活化したもの、遺伝子組換え、mRNAワクチンなどがあります。注射のインフルエンザ、新型コロナ、肺炎球菌、B型肝炎、A型肝炎、5種混合、日本脳炎、HPVなどが該当します。

免疫抑制中でも基本的に接種できます。効果が十分に得られないことはあります。

2種類あります。生ワクチンのビケン®と、生ワクチン以外のシングリックス®です。免疫抑制治療中に帯状疱疹ワクチンを検討するときは、シングリックス®が選択肢になります。対象は50歳以上、または医師がリスクが高いと判断した18歳以上です。

3. 接種前に必ず主治医に確認を

ワクチン接種の可否は、使用している治療薬、直近の再発、治療歴によって変わります。「このワクチンを打ちたい」と思ったら、まず主治医に相談してください。

自治体の定期接種の案内が来たら、接種の記録や予定、薬の名前と量、最近の治療日がわかるものを見せて確認します。

4. ワクチン接種と再発

接種のあとMOGADが再発しないか、心配する人はいます。MOGADに限った研究はまだ少なく、リスクははっきりしていません。今のところ、MOGADだからワクチンで再発しやすい、といえる根拠は乏しいです。感染そのものの負担のほうが大きいこともあります。

以前の接種後に体調を崩したことがある人、ステロイドの減量中、再発予防の治療を変えた・やめたばかりの人は、その経過を伝えてください。接種のために、自己判断で治療薬を減らしたり止めたりしないでください。

5. 小児の場合

小児でも、診断後の定期接種は、治療の状況に合わせて可否と時期を検討します。使っている薬、病気の落ち着き、母子健康手帳の接種歴を確認し、MOGADの主治医と、予防接種を担当する小児科医で接種計画を立てます。

すでにMOGADと診断されている子どもが、ワクチン接種後にどのくらい再発するのかについても成人と同様に、明確な数字はありません。

6. 費用

任意接種の目安です。定期接種や助成は年齢と自治体で異なります。

インフルエンザワクチン
1回あたり約3,000〜5,000円(医療機関により異なる)。フルミストは8,000〜10,000円前後(医療機関により異なる)。

新型コロナワクチン
1回あたり15,000円程度(医療機関により異なる)。自治体によっては助成があります。

帯状疱疹ワクチン(シングリックス®)
2回合計で4万円程度(医療機関により異なる)。自治体によっては助成があります。

7. こんな場合どうする?

医療従事者です。打てないワクチンがあります。
勤務先に事情を説明してご相談ください。

いつ打てばいいですか?
治療薬とワクチンの接種時期は、薬剤とワクチンの種類によって異なります。IVIg、リツキシマブ、副腎皮質ステロイド薬などでは、一定の間隔が必要となる場合があります。主治医に確認してください。
複数の生ワクチン以外を同じ日に打つことは一般に可能です。ただし、体調の変化が治療の影響かワクチンの影響か見分けたいときは、同日を避ける選択もあります。

8. ご家族のワクチン接種

ご家族のワクチン接種は、患者さんを感染症から守るためにも重要です。

ただし、経鼻弱毒生インフルエンザワクチン(フルミスト)は、接種した人から周囲の人へワクチンウイルスが感染する可能性があります。ご家族に免疫抑制治療を受けている患者さんがいる場合は、フルミストではなく、注射の不活化インフルエンザワクチンをご検討ください。

[参照]

Web資料の確認日 2026年9月22日。CDCは2026年10月5日に再確認。

  • 大橋高志(脳神経内科医・鎌ケ谷総合病院)
  • 越智博文(脳神経内科医・愛媛大学大学院)
  • 岸 崇之(小児神経専門医・東京女子医科大学)
  • 木村公俊(脳神経内科医・京都大学医学部附属病院)
  • 近藤誉之(脳神経内科医・関西医科大学総合医療センター)
  • 千原典夫(脳神経内科医・神戸大学医学部附属病院)
  • 富沢雄二(脳神経内科医・順天堂大学医学部附属順天堂医院)
  • 中島一郎(脳神経内科医・東北医科薬科大学)
  • 新野正明(脳神経内科医・北海道医療センター)
  • 宮本勝一(脳神経内科医・和歌山県立医科大学)
  • 横山和正(脳神経内科医・東静脳神経センター)
  • 渡邉 充(脳神経内科医・九州大学病院)

本記事は下記生成AIを活用しながら作成しました。

  • Chat GPT-6 Astra(上記参照を元に草稿・推敲)
  • Grok4.7(検索・推敲)
  • Claude Opus5.5(表・参照のHTML整形)

2026年10月15日(新規公開)

出典:MSキャビン「MOGAD治療中のワクチン接種」
URL:https://www.mscabin.org/mogad/mogad-vaccine/
(新規公開:2026年10月15日)