MOG抗体関連疾患(MOGAD)

 

MOG抗体関連疾患とは何ですか?

MOGADは「MOG抗体関連疾患」という中枢神経系(脳、脊髄、視神経)の病気です。英語名は「MOG antibody-associated disease」といい、その頭文字から「MOGAD(もがっど)」と呼ばれています。伝染病ではなく、特定の遺伝子の異常は認められていません。

どのように起こるのですか?

脳、脊髄、視神経の神経線維は「ミエリン」というカバーで覆われています。MOGADはこのミエリンが「MOG抗体」という自己抗体によって攻撃されることによって起こります。根治療法はありません。

MOG抗体が関わる疾患はMOGAD以外に知られていません。

どんな人がなるのですか?

平均発症年齢は20歳代後半で、幼児から高齢者まで幅広い年代で発症します。10歳以下の発症が比較的多いという特徴があります。男女差はありません。地域による有病率の差や人種差も少ないといわれています。有病率は5万人に1人くらいで、国内推定患者数は約1,700人です。

どんな症状があるのですか?

通常、ミエリンが壊された部分に応じた神経症状が出てきます。ミエリンの壊され方は人それぞれで違うので、症状の種類や程度は人によって様々です。MOGAD全体としてよく見られる症状は視力障害、感覚障害、運動障害、排尿障害などです。小児の場合にはてんかんで発症することもあります。慢性期は周りから見て分かりにくいものが多いです。

さらに症状は季節や体調の影響でよく変わります。日によって、また時間によって変わることもあります。体温が上がると一時的に症状が悪くなることがあり、これを「ウートフ現象」といいます。

どのように診断されますか?

丁寧な問診と神経学的診察、血液検査、MRI検査、眼科検査、髄液検査などが行われます。中でも血液中のMOG抗体の有無を調べる血液検査は必須です(ただし保険はききません)。通常、脳神経内科(神経内科)、小児の場合は小児科が担当します。

どんな治療がありますか?

急性増悪期には炎症を鎮めるために高用量の副腎皮質ステロイド薬を使います(ステロイドパルス療法)。改善しない時は血漿浄化療法、大量免疫グロブリンの点滴(IVIg)が行われることもあります。再発予防治療をする場合は基本的に、経口ステロイド薬や免疫抑制薬が使われます。

これからどうなるのですか?

MOGADの経過は様々で誰にも予測できません。何も治療をしなくても約半数は再発しないといわれていますが、再発していない約半数がこの先もずっと再発しないかどうかは分かりません。病状把握のため、定期的な診察が必要なことがあります。

利用できる社会資源はありますか?

MOGADは指定難病に定められていませんが、多発性硬化症あるいは視神経脊髄炎の診断基準を満たしている場合に、それらの病名で医療費助成を受けられることがあります。窓口は住所地を管轄する健康福祉センター(保健所)などです。

新規公開:2022年4月27日  更新:2023年7月25日
イラスト:えみすけ
文:MSキャビン編集委員
大橋高志、越智博文、近藤誉之、中島一郎、新野正明、宮本勝一、横山和正、中田郷子

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MOG抗体関連疾患をさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
→「MOG抗体関連疾患のあらまし

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