お知らせ

創立25周年のごあいさつ

いつもありがとうございます。

おかげさまで本日2021年2月19日でMSキャビンは創立25周年を迎えました。25年にわたって活動を続けて来られたのはみなさまのご支援・ご利用のおかげです。心から感謝しています。

MSキャビンは1996年、MS患者である私が立ち上げました。私が診断されたのはその3年前の1993年。当時の国内MS患者数は4,600人くらいで今よりもずっと稀な病気でした(今は18,000人)。ネット環境も整っておらず、MSの情報はほとんどなくて、私はこの病気とどう付き合っていけばいいかわからなくて大学も中退。何をするわけでもなく家でおとなしく暮らしてました。難病だしそれが普通と思ってました。

そんな時にインターネットというものが我が家にやってきて、何でも調べられてスゴイということ以上にびっくりだったのが、何の気なしに英文検索してヒットしたアメリカのMS情報です。

それまで「再発するといけないから無理しないように」「疲れないように」「日焼けだめ」と注意事項ばっかりだったのに、アメリカのほうにはMSでも積極的に外に出ようとか運動しようとか、こうすれば何ができるとか、いろいろできるし挑戦していい、といったことがいっぱい書かれていました。

そのあたりのことはこの25周年のご挨拶に書くには長すぎるからまた今度にしますが、とにかくこのアメリカ情報を和訳して発信しましたというのがMSキャビンの始まりです。25年前の2月19日。

バナナチップス創刊号(1997年10月)

それからはホームページを通じて患者と家族の輪が広がっていって、専門の先生方からもご連絡いただくようになって、紙媒体の情報誌バナナチップスを出すようになって、製薬会社にスポンサーになってもらって全国で講演会をするようになって、でも独立性を守りたいからと製薬会社からの寄付は断ることにして、そうしたら当たり前だけどお金がなくなって困ったことになりました。

東京フォーラム -六本木アカデミーヒルズ(2015年12月)

製薬会社からの寄付断りは2016年の話。収入7割減で、今にしてみるとだいぶ勇気あったなって思います。でもこの方針を支持してくれる人も多くて、そしてこれがMS国際連合に評価されることになって2017年、患者のために貢献したという賞を授与していただきました。ロンドンまで行ってきました。現地滞在1泊でしたが。

ロンドンの授賞式(2017年9月)

その後も一生懸命がんばって節約して、何よりも多くの方々からのご寄付、またバナナチップスやキャビTを買っていただいてることで何とか運営を安定できています。去年からコロナでみんな大変で、キャビンも講演会はできなくなりましたが代わりにYouTubeで先生のお話を届けるなど、こんな状況だけど力を合わせて踏ん張っています。

ですが、まだ踏ん張れてるからいいですが、私も48歳になりました。ヒトとしての寿命はまだだいぶ残っていますが、組織の代表としての寿命を考えると本気で後任を探しておかないといけない時期になりました。私は60歳までには表舞台からは消えて、必要とされる時にだけ裏からサポートする側にまわるつもりです。

といっても誰か1人を後任にするとその人の荷が重すぎるだろうし、いちいち私と比較されて苦しくなるはずだから、私が今していることを複数人で引き継いでいくことをイメージしています。今後最長で10年かけて、そういうしくみを作っていこうと思っています。

そのためには現状の「なんとか運営を安定」のままでは難しくて、多くの方々の一層のご支援が必要になってきます。これについては近いうちにお伝えしていきたいと思います。

これからも、より時代に即した正確で最新のMS、NMOSD、MOGAD情報提供に向けてスタッフみんなで力を合わせていきます。みなさまに寄り添いながら活動を続けていきたいと思っているので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

2021年2月19日
MSキャビン 中田郷子

運営はみなさまからのご寄付に大きく支えられています。ぜひご支援をお願いいたします!→「ご支援のお願い」へ