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多発性硬化症と手術(1)

こんにちは。中田です。入院しました。明日手術を受けます(50才・高確率で子宮筋腫・ロボット支援腹腔鏡下手術で子宮卵管全摘)。

多発性硬化症(MS)を抱えて手術を受けることになった場合に参考になるかなと思って、長くなりますが、お伝えいたします。

※スタッフが一生懸命、業務をカバーしてくれていますので、このことに関するご連絡はご遠慮くださいますと助かります!

事の始まり(2~3月)

今年の2月上旬、激しい腹痛と下血のためフラフラと近医を受診したところ、虚血性大腸炎の診断でそのまま入院になりました。それとは別に、造影CTで子宮に腫瘍が認められると言われました。気になる症状は貧血くらいで、それは筋腫ではないでしょうかと言ったところ、いいえこれは普通ではなく悪性度が高い肉腫だから婦人科へ、との説明を受けました(普通の外科医)。

脳に転移している可能性もあるから早めに! とテンション高めに言われ、脳は持病でしょっちゅうMRIを撮ってもらって問題ないと伝えたのですが、ほとんど聞いてもらえない。

そこで退院後、親友に付き添ってもらって婦人科を受診したところ「無理、分からない。大学病院に行ってほしい」とあっさりさじを投げられました。紹介状に何て書いてあったんだろう。

病院は自分で決めてくれとのことなので、近い大学病院のうち、長年慣れ親しんでいる順天堂にしました。予約が入ったのは3月上旬です。前述のような経緯があったので、緊急手術を前提に、その日のうちにMRIを含めていくつか検査がありました。夜までかかりました。

MRIの結果、おそらく筋腫だろうとのことですが(9cm)、確定診断は病理で調べないと分からないそうです。なので診断はグレー。とりあえずホルモン治療で経過を見ることになりました。肉腫の場合は基本的に治療に関わらず大きくなり続けるそうです。

子宮肉腫で検索すると分かると思いますが、だいぶ予後不良です。わずか数年で更新が途絶えたSNSもいくつかありました。

そんな中、この状況下で支えてくれた家族、友人、キャビンの先生方、BOSS先生には感謝しかないです。後で聞くと親友は、医師の出身校を含めいろいろ調べてくれていました。一方の私はその時点ではもう、メンタルの健康のため情報収集をやめていました。

治療(3~6月)

というわけで3月中旬から月経を止める薬(レルミナ)を飲み始めました。すると3カ月後には6cmに小さくなってきていて、先生から「悪性の可能性はかなり低い。よかったですね」という言葉が聞けました。

ただ、それも絶対的ではないことと、あとはホルモン量的にこのまま閉経まで逃げ切るのは難しいかもとのことです。貧血もあるし取っておいた方がいいよねということで、そうなると目指すは開腹ではなく腹腔鏡手術。サイズ縮小のために引き続き、レルミナを飲み続けることにしました。このあたりから情報収集を再開。

MSと女性ホルモン製剤ですが、新しいガイドライン2023でも禁止にはなっていません。また、この時点で私は最強クラスのタイサブリを使っていたので、仮にレルミナがMSに悪く作用することがあったとしても、タイサブリの勝ちと思っていました。実際MSの再発はなく、MRIも変化なしです。

レルミナの副作用は5月くらいから出てきました。特にキツいのがホットフラッシュ。MSのウートフ現象も顕著で、この夏は特につらかったです。基本的にいつも暑く、他にも関節痛、めまいなど、一気にあちこち悪くなって、更年期って大変と実感しました。

手術の日にちを決めるまで

腹腔鏡か開腹かは未定のまま、手術日だけは決めておくことにしました。7月と10月にバナチPlusを発行するのに加えて、JCV抗体価が高めなので、そろそろタイサブリからケシンプタに変えたいと思っていたからです。またレルミナは半年間しか飲めないことになっています。

加えて完全ブックの改訂や動画編集なども抱えていて、頭の中ごちゃごちゃ。簡単に書き出して、このメモを元に、脳神経内科と婦人科の主治医と話し合いました。

結果は赤枠。8月1週目からケシンプタを始めて、9月中旬に手術です。それに伴いタイサブリは6/14が最終投与となりました。

MSで手術禁止のDMDはないです。ケシンプタも問題ないのですが、ただ気分的に何となく、投与と投与の間を狙いたいと思っていました。結果的にケシンプタの投与からちょうど2週間になる明日が手術日となりました。

脳神経内科と婦人科は別の病院なのですが、先生方はお互いに、手紙でやり取りしてくれました。「私が伝書鳩になるのでしょうか」と聞いたところ、その必要はなく、婦人科の先生が脳神経内科の先生に手紙を郵送し、脳神経内科の先生が婦人科の先生に返事を郵送、というスタイルです。料金は発生しませんでした。

また万が一、手術によってMSが動いた場合、ご存知の通りこの病院はMS専門医が2人常駐しているので、その点は心配ないかなと思います。

手術前のいろいろ

手術日が決まった後は、術後に休めるよう、いかに仕事を進めておくかが勝負です。昨日までとっても忙しい日が続きました。特に8月はケシンプタ導入でほぼ毎週通院で、今月は手術前の通院がすでに3回(検査、術前外来、PCR)。

検査は、初めてこの病院を受診した時に受けた検査です。期限切れということで再度、受けないといけなくなりました。採血、採尿、心電図。そしてMRIで腫瘍のさらなるサイズ縮小が確認され、腹腔鏡で決定しました。卵巣は残します。

ちなみに下腹部のMRIは、お願いすると足から入れてくれます。どこの病院でもそうしてもらえるかは分かりませんが、閉所恐怖症の人は交渉をお勧めします。頭が少し出るので気分が全く違います。

術前外来では、歯科の先生が歯の状態を診ます。歯垢がたまっていると全身麻酔時に気管に挿入するチューブに細菌が付着して肺炎につながる恐れがあるのと、グラグラしている歯があると、挿入時に歯が抜けることがあるからだそうです。特に前歯。こういうこともあるから、歯科検診はちゃんと受けて、口腔内の健康はいつも保っておくのが大事だなと思いました。

そして麻酔科の先生から説明を聞きます。MSに禁止されている麻酔はないですが、私は硬膜外麻酔は避けたいと思っていました。若い頃の頻回のルンバール(腰椎穿刺)でトラウマがあり、今や背骨を触られるだけで凍り付きます。硬膜外を受けるくらいなら痛みに耐えようとすら思っていました。

でも今回の手術ではもともと硬膜外麻酔は予定されていなくて、全身麻酔だけだそうです(よかった..)。

あとは、すぐに乗り物酔いするから吐くと思うと伝えたら、それなら吐き気が出にくい麻酔薬にしましょうとか、吐き気止めも点滴に入れておきますね! など、さわやかに応えていただきました。

そして看護師さんと薬剤師さんからそれぞれ確認事項や注意点をお聞きして術前外来終了。

PCR検査はその翌日に受けました。ちょうど台風13号接近中でタクシーが予約できず、何度アクセスしても「予約は上限に達しています」で困ったなと思っていたところ、奇跡的に普通に1台手配できて、雨もやんで、何事もなく往復できました。

そして入院

そして今日の午前中に入院しました。看護師さん、栄養士さん、薬剤師さん、研究の先生、看護師長さん、麻酔科の先生、研修医の先生、主治医、など訪問者が絶えない(笑)

気が緩んでここ数カ月の疲れが一気に出て、すごいだらだらしています。

手術は明日1番で朝8:30からになりました。

全身麻酔で爆睡できるのが楽しみです。どれだけすっきりするんだろう。

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