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特別ブログ「気候の変化と症状の変動」

こちら東京は秋を感じる日が増えてきました。朝晩の気温差にも注意したいですよね。掛け布団もそろそろ秋仕様にしようか、悩んでいるところです。

気温だけではなく天気もコロコロ変わる時期。こういう気候の変化に付いて行けない人も多いのではないでしょうか。

気候の変化に伴う3疾患の症状

多発性硬化症(MS)、視神経脊髄炎(NMOSD)、MOG抗体関連疾患(MOGAD)の症状の中には、気候の影響で変動するものがあります。

MSの症状は度々変動します。特にしびれや脱力感などは体調や気候などの影響で変動することが多いです。「疲れがたまって症状が強くなってきたが、数日ゆっくりしたら元に戻った」「雨が続くとしびれがひどくなるが、晴れたら元通りになる」などよく聞かれます。

「多発性硬化症完全ブック第4版」66ページより

上記の内容はNMOSDとMOGADにも当てはまります。また、中には気候の変化にとても敏感で、例えば台風が近づく前から症状が悪くなるような人もいます。

しびれや脱力感の他にも、つっぱり感や疲労感の増強、また意欲が減退するような人もいます。ただ、疲労感の増強や意欲の減退などは3疾患でなくても起こり得るものなので、どこからどこまでが病気の影響なのか、線引きできないこともあるかと思います。

スタッフの場合

私自身(MS)は気候の変化によって症状が変動したり、全体のコンディションが悪くなったりすることはなく、スタッフの温井さん(NMOSD)も同じく気候の影響は受けないようです。

一方、カエルくん(MS)は、気候の変化と関係ある気がするそうです。「暑くなる予報の日は、朝起きると下半身がだるくなることがあります。低気圧の日は頭痛やだるさが出ることも」「MSとは関係ないかもしれませんが、発症前はこういうことはなかったです」と言っています。ちなみに暑い日はほぼ、テクフィデラ®の副作用(潮紅、ほてり)やピリピリ感が出るそうです。

坂本さん(MS)も天気の影響を受けるそうで、「雨天時など低気圧の日は朝から体が重だるく、動きが鈍くなります。手足のしびれも強く出たりするので、晴れた日と雨の日では体の動きや感覚に大きく差が出ます」と言っています。

再発との違い

症状が変動すると「病気が再発しているのでは?」と心配になるかもしれません。再発についてはこちらを参考にしてください。
再発が疑われる時(多発性硬化症)
再発が疑われる時(視神経脊髄炎)
再発が疑われる時(MOG抗体関連疾患)

上記ページでは「24時間以上続くかどうか?」がポイントになっていますが、これは1つの目安と捉えてください。というのも、例えば雨の日が続いている間中、症状の変動がずっと続き、数日後に過ごしやすい天気になったら症状が改善する、といったことがあるとします。症状の変動が続いている間は何となく定義上の再発に当てはまってしまうのですが、天気の回復と共に症状も改善されているので、このような経過は再発ではありません。

これまでどうだったかを振り返ってみるのもいいかと思います。「初発の時はこうだった」「再発の時はこうだった」「再発かと思ったが違った」という具合に、再発と症状の変動の違いのパターンが見えてくるかもしれません。

そのためにも症状を記録しておくことをお勧めします。手帳に記しておくのもいいですし、体調管理のアプリもたくさんあります。バナナチップスPlusの巻末付録をご利用くださっている人もいらっしゃいます(ありがとうございます!)。

どうしたらいいか

気候の影響で症状が変動する場合、対処法としては「無理をしない」「休む」に尽きるのではないかと思います。そう簡単に仕事を休めないよ!という場合も、それでもできる範囲で休憩を入れて、しのぐしかないかと。

あとは、しびれや痛みなどの感覚の症状が強くなる時期が、あらかじめ分かっている場合は、その時期だけ薬を飲む・増量するのも1つの方法かもしれません。主治医にご相談ください。対症療法の薬についてはこちらをご覧ください。
治療(多発性硬化症)
治療(視神経脊髄炎)
治療(MOG抗体関連疾患)
ページ下部「残った症状を緩和」

それともう1つ。過ごしやすい日には秋を楽しむことも大切にしたいところです。

3疾患とも病気であるからといって禁止されているものはなく、天気がいい日は疲れ過ぎないくらいの運動をしてみるのもいいかと思います。ウォーキングや水中歩行、ヨガなどが勧められています。

症状とうまく付き合って秋を楽しみましょう☆(文:中田郷子 編集委員監修済)

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