生物学的製剤が使えるようになり、視神経脊髄炎(NMOSD)の再発予防治療は、この数年で大きく進みました。
ただ、再発が抑えられても、症状が残っている人は少なくありません。次の再発への不安が減っても、診察で「安定していますね」と言われても、痛みやだるさ、排泄の悩みが残っていることがあります。
実際、NMOSDの患者さんから、こんな話が聞かれることがあります。
「再発していないのに症状は消えていない」
「もう大丈夫と思われているみたいで、口にできなくなった」
「つらいけど我慢している」
再発予防と同じくらい、「今」の生活のつらさも、治療の対象です。
治療後に残りがちな症状
よく聞かれるのは、次のような声です。
「風が当たるだけ、服が擦れるだけで痛い」
「帯で体を締めつけられる感じ」
「寝ても取れないだるさで、昨日できたことが今日はできない」
「トイレが間に合わない。夜中に何度も起きる」
「症状のせいで眠れない。なのに日中は強い眠気」
痛みとしびれ感は、多くの人が抱えています。
疲労は「ちょっと疲れた」ではなく、予定を組むこと自体を難しくする病的な疲れです。
排泄の悩みは誰にも言えず1人で抱え込みやすく、睡眠の乱れは翌日の痛みや気分を悪化させます。
別々に見えて、実際は絡み合っています。
国際的な総説では、NMOSD患者さんの痛みは8割を超え、疲労は約6〜8割、排尿の障害は最大で8割近くに及ぶとまとめられています。うつは約4割、不安は約4〜5割とする解析もあります(※)。
症状をやわらげる薬
痛みや排尿障害など、残った症状に対して薬が検討されることがあります。よく使われる薬は「治療」のページで紹介しています。
これらは今の生活を少し楽にするための薬です。症状の変化に応じて減らしたり、止めたりできます。
ここで覚えておいてほしいことは、「症状が続いている=再発予防がうまくいっていない」わけではありません。再発予防薬は再発を抑えるための薬で、今ある症状をやわらげるのとは目的が違います。
まずは症状でどのくらい困っているかを主治医に伝えるところから始まります。
ただ、診察室では、歩き方や目の症状とは違って、見た目に分かりにくい症状は気づかれにくいことがあります。
そして、伝え方を工夫しても、主治医に関心を持ってもらえないことがあります。とてもつらいことです。これは患者さんのせいではありません。気にしすぎでも、わがままでもありません。
その場合は、症状に応じた診療科を足す、セカンドオピニオンを求める、主治医を変える、といった選択もあります。
同じ病気の人と話してみる
症状も薬も主治医のことも、1人で抱えるには大きすぎます。
日本には、NMOSDに特化した「NPO法人日本視神経脊髄炎患者会(NMOJ)」があります。月に一度のオンラインカフェや、地方でのリアルな交流会など、同じ悩みを持つ人と話せる場があります。
主治医に言いづらいときは、MSキャビンのXスペースもあります。専門医に質問できますし、聞くだけでも構いません。匿名で参加できます。
それでも1人で向き合う日があると思います。言えないのは、わかってもらえない経験を重ねてきたからです。こういう場があることを頭の片隅に入れておいてほしいと思っています。
※出典
- Lorefice L, et al. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2025;96:744-752.
- Liu J, et al. Mult Scler Relat Disord. 2023 Nov;79:105007.
- 大橋高志(脳神経内科医・鎌ケ谷総合病院)
- 越智博文(脳神経内科医・愛媛大学大学院)
- 木村公俊(脳神経内科医・京都大学医学部附属病院)
- 近藤誉之(脳神経内科医・関西医科大学総合医療センター)
- 千原典夫(脳神経内科医・神戸大学医学部附属病院)
- 富沢雄二(脳神経内科医・順天堂大学医学部附属順天堂医院)
- 中島一郎(脳神経内科医・東北医科薬科大学)
- 新野正明(脳神経内科医・北海道医療センター)
- 宮本勝一(脳神経内科医・和歌山県立医科大学)
- 横山和正(脳神経内科医・東静脳神経センター)
- 渡邉 充(脳神経内科医・九州大学病院)
本記事は「治療/残った症状を緩和」、X内体験談をもとに、下記生成AIを活用しながら作成しました。
- Grok4.7(検索・草稿・推敲・フロントページカード生成)
2026年10月10日(新規公開)
監修:MSキャビン編集委員
出典:MSキャビン「再発がなくても症状が残っている」
URL:https://www.mscabin.org/nmosd-easy/remaining-symptoms/
(新規公開:2026年10月10日)






