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治療の選択にあたって

こんにちは。中田です。バナナチップス129号を11日(水)に入稿しました!

今回から発送作業を外注します。そのため1週間早く仕上げる必要がありました。何とか間に合いました。

発送は今月30日を予定しています。

発送作業の外注に伴い、年間購読料の更新案内は別送します。定形郵便で別に届くことをご了承ください。このあたりも電子化で改善していきたいです。

メリットとデメリットを書き出す

さて、本誌制作の際にもYouTubeの動画制作の際にも、必ずといっていいほど挙がるテーマに「治療の選択」があります。

MSもNMOSDも治療の選択肢が増えました。SNSを見ていても、みなさんそれぞれ、いろいろな薬を使っています。

自分に合った治療をどのように選んでいくか、まず考える必要があるのが「効果」と「副作用」。このホームページにも掲載していますし、ネットで調べればいろいろ出ています。一般情報として理解できるかと思います。

ただ、それが「自分にとってはどうなのか?」となると、難しくなるんですよね。直感的でいいので、その薬の自分にとってのメリットとデメリットを書き出してみてください。難しかったら「その薬の好きな所と嫌いな所」でもいいと思います。

そしてそれを元に主治医と相談してみてください。「あなたにとってはこうですよ」と、話が進んでいくはずです。

ご自身が置かれている環境を考慮

その他、治療選択の際に考えに入れてほしいことの1つに「ご自身が置かれている環境」があると、私は考えています。

受験が間近、仕事が繁忙期、結婚する、子供が生まれたばかり、親との同居生活が始まったなど、人生においては大なり小なり、波がありますよね。治療の選択にあたってはそういったことも考えに入れた方がいいと思っています。

この件は前にも書いたと思うのですが、私は、実は40代後半で治療を一時、やめました。そのころはベタフェロンで病状はとても安定していて、もしかして治ったのでは? と錯覚するくらいに元気だったからです。「年を取るとMSは落ち着いてくる」「その場合ABC療法であれば中止できるかも」という話もあり、主治医と相談の上、薬を少しずつ減らしてやめました。

足が悪くなってきたのはその半年〜1年後くらいです。よくある症状の変動だと思っていましたが、良くならないまま何となく経過して、最寄りの駅まで歩くのが難しくなり、治療を再開しました。いくつか薬を変えて、今はケシンプタで落ち着いています。

反省点としては、40代後半は治療をやめるには早過ぎたこと。そして当時は地方講演会への移動も多く、東京フォーラムも再開していて、要はいつも忙しかったです。そのような時に治療をやめてみる、というのは間違いだったなと思っています。

薬の変更は環境が落ち着いている時に

それと、薬を変更する時もちょっと注意です。何らかの理由で別の薬に変える時、また、薬の量を減らす時は、病状に加えて、ご自身を取り巻く環境も落ち着いている時にした方がいいと思っています。

例えば、来月引っ越します! という時にプレドニンの減薬をするようなことは避けた方が良さそうです。体に負担がかかってしまいます。もちろん「そんなこと考えているよりすぐに変えた方がいい」という場合もあると思います。

薬を変更する場合はそういった環境も考えて、そしてそれを主治医と共有してください。どのような環境で生活しているのかなんて、言わないと分からないですよね。ここは主治医に伝えるべき大事なことだと私は思っています。

そう考えると「年を取るとMSは落ち着いてくる」の説はどうなんだろうと思っています。50〜60歳代は子供の自立、家族の介護、体力低下、更年期など、若い頃とは違ったストレスが加わってきますね、、、

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