多発性硬化症(MS)・視神経脊髄炎(NMOSD)・MOG抗体関連疾患(MOGAD)の情報誌「バナナチップスPlus」最新号(第141号・2026年秋号)を発行しました。
141号では治療中にちょっと「?」と思う場面をテーマにしました。
医療の専門家の解説と、患者の日常に役立つ記事をまとめました。「見どころ」をいくつかご紹介します。
目次
- 特集:治療中に気になること、どう考える?〜効果・副作用のこと、主治医への伝え方〜
中島 一郎 先生/東北医科薬科大学医学部 - 医療相談(MS):治療してるのに進んでいる気がする
- 医療相談(NMOSD):今後、脊髄炎も起こる?
大橋高志 先生/鎌ケ谷総合病院 - 医療相談(MOGAD):前とは違う症状が出た。再発?
- ニュース(MS):タイサブリからの切り替えは速やかに、古い病変のじわじわ拡大とB細胞標的薬
- ニュース(NMOSD):再発が少ない人ほど改善、再発の積み重ねが回復力を左右
- ニュース(MOGAD):IL-6を抑える薬とMOGADの再発予防、薬は減らせる? やめた後は?
- おくすりのこと:ステロイドと骨のこと
富沢雄二 先生/順天堂大学医学部附属順天堂医院 - 単語:「PIRA」「SAW」って何?
- グローバルニューロレポート
- 寄稿:患者・家族が知っておきたいPPI とは
鈴木啓介 先生/国立長寿医療研究センター - 知恵袋:薬のことで気になること、診察でどう伝える?
- みんなのストーリーズ:動けるなら、楽しみたい(MS)、ベッド生活からリハビリを経て(NMOSD)、がんばる。でも、無理無茶はしない(MOGAD)
- 日常生活のおはなし:治療中、みんな何が不安?
- ドクター・インタビュー:病気も生活も一緒に見る
田川朝子 先生/平塚市民病院 - オンライン版限定記事:MS?それとも別の何か?(MS)、治療中に新しい症状。再発?副作用?(NMOSD)、MOGADの治療はいまどこまで来ている?(MOGAD)


特集 | 治療中に気になること、どう考える?
「この薬、本当に効いているの?」「副作用がつらいときは、どこまで我慢すればいい?」「いつまで続けるの?」
治療を続けていると、そんな疑問が湧いてきますよね。治療中に感じる「効いている感じがしない」「症状が出たときの不安」「生活との折り合い」は、多くの人が一度は抱えるもの。
本特集では、再発予防治療の「何も起きなかったことに意味がある」という考え方から、症状の出方の見極め方、副作用の伝え方、感染症時の対応、治療を続ける期間の考え方まで、日頃の診療で感じていることを専門医が整理しています。
診察室で「本当のこと」を話す意味や、共同意思決定の考え方にも触れています。1人で抱え込まず、主治医と一緒に考えるためのヒントが詰まった特集です。

医療相談(多発性硬化症)| 治療してるのに進んでいる気がする
再発はしていないのに、ここ1〜2年で歩きにくくなっている気がする。薬が効いていないのでは、病気が進んでいるのではと不安になる。そんな声は少なくありません。
「なんとなく悪くなった気がする」だけでは伝わりにくい変化も、「前はこうだったけれど、今はこう」と比べられる形でメモしておくと、主治医に伝わりやすくなります。
疲れや暑さ、体重の変化など別の原因も考えられる一方で、ゆっくりとした進行の可能性も含めて一緒に整理していく大切さを解説しています。
伝えても十分に取り上げてもらえなかったときの気持ちや、それでも改めて伝えてみることの意味、自分でできる範囲の体の動かし方まで触れています。大げさだと思わずに、まずは話してみるきっかけになる記事です。

医療相談(視神経脊髄炎)| 今後、脊髄炎も起こる?
これまで視神経炎だけで脊髄炎は経験していない。でもこの先、自分にも起こるのかな。安定した期間が続いていても、そんな不安を感じる方は少なくありません。
NMOSDでは再発がいつも同じ場所に起こるとは限らず、これまで視神経炎だけであっても、今後、脊髄炎を含む再発が起こる可能性はあります。ただ、いつ・どの部位に起こるかを前もって予測する方法はありません。将来を必要以上に恐れず、それでも再発予防治療を続ける大切さを、専門医が解説しています。
再発を疑う症状の目安、プレドニン®単独治療を見直す考え方、生物学的製剤の位置づけ、診察で確認しておきたいことまで触れています。不安をひとりで抱え込まず、主治医と一緒に今後の備えを整えていくための記事です。

医療相談(MOG抗体関連疾患)| 前とは違う症状が出た。再発?
手のしびれ感が出たり消えたりして、結局なくなった。あれは再発だったのだろうか。どのタイミングで主治医に連絡すればいいのだろう。
診断から間もないうちに、そんな迷いを感じる方は少なくありません。
再発による症状は多くの場合、数日かけて出そろい、しばらく続くことが多い一方で、暑さや入浴、疲れをきっかけに一時的に出る「偽再発」や、別の原因の可能性もあります。プレドニン®を減量している時期は特に気をつけたいタイミングでもあります。
再発の出方の特徴や、連絡の目安を3段階でわかりやすく整理しています。「もう治ったし、大したことないから」と省略せず、次の診察で報告することの意味にも触れています。
自分の体に気づいたことを、そのまま治療の材料にしていくための記事です。

単語 | 「PIRA」「SAW」って何?
再発がないのに、歩きが遅くなった、疲れやすい、頭がはたらきにくい。そんな「前となんとなく違う」変化を感じたことはありませんか。
最近耳にする「PIRA」や「SAW」は、この「再発とは無関係に起こる変化」を指す言葉です。客観的に測れる進行をPIRA、疲労や認知など測りにくいものまで含めて捉えようとするのがSAW。
どちらもまだ定義が定まりきっていない言葉ですが、大切なのは言葉そのものよりも、こうした変化に気づくことです。NMOSDやMOGADではまれとされています。
主治医に伝えても「年齢のせい」などと言われることもあるかもしれませんが、具体的に伝えることが、これからの治療を考えるうえで大切な情報になります。

グローバル・ニューロレポート
世界ではいま、MS・NMOSD・MOGADをめぐって、どんな治療や研究の動きが進んでいるのでしょうか。
今号の「グローバル・ニューロレポート」では、2026年6月から9月にかけての海外の新しい情報を、わかりやすい言葉でまとめています。
取り上げたのは、再発型MSの飲み薬レミブルチニブの第3相試験結果、進行型MSに向けたCAR-T療法の開発、MOGADに対するサトラリズマブの日本での承認申請、NMOSDでB細胞を狙うMIL62の第3相結果など。
さらに、喫煙と再発後の回復との関連や、MOGADの患者さん・家族が治療の意思決定に関わりたいという声にも目を向けています。
承認申請された薬もあれば、まだ研究の段階にあるもの、日本で使えるか未定のものもあります。期待と現在地を分けて知ることで、ニュースがぐっと身近になるはずです。

以上、簡単ですが見どころをご紹介しました。
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バナナチップスPlusには冊子版と電子版があります。
まずは冊子でじっくり読みたい方も、「いつでも見返したい」「外でも読みたい」と感じたタイミングで、電子版に切り替える方もいらっしゃいます。
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